歯科,dental,Dental Diamond,デンタルダイヤモンド

　 患者さんへのアピールには広告宣伝費は必要な経費ですが、あれもこれもと対応していたのでは、費用対効果のバランスが保てなくなります。当社の調査では、歯科医院の平均的な広告宣伝費の比率は収入に対して0.8％という結果が出ています。つまり、年間収入5,000万円の歯科医院では、広告宣伝の費用として約40万円かけているということです。
　 広告宣伝費用は、医院の存在や診療内容など、医院情報のPRが目的ですが、同時にコミュニケーションコストとして、患者さんが呼応できるものを目指す必要があります。つまり、看板やHPの内容を通じて、患者さんと歯科医院の関係を良好な状態にできることが大切です。
　 したがってHPも、必要とする人がすぐに見つけられるように対策を施したり、内容も単に設備機器を羅列するだけではなく、それらの設備によってどういう治療が可能で、どのように変われるかをイメージできるよう、わかりやすいものを目指す必要があります。患者さんとのコミュニケーションの場として考える場合、何のために広告宣伝費用をかけるかを明確にし、看板やHPだけではなく、目的に合わせた媒体を活用したいものです。

１．新患獲得のための費用
　 医院が安定して継続していくためには、常に新患の獲得が必須です。毎月、一定して患者さんが来院するようになると、医院経営は非常に安定してきます。
　 「HPを見て」「看板を見て」と来院する患者さんの数や割合によって、医院のHPや駅前、あるいは街中の看板の効果を図ります。医院のことをよく知ってくれている患者さんにとっても、新しい情報やお知らせがあると、新たな患者さんへの紹介にも繋がるものです。

２．患者定着のための費用
　 新しく来院してくれた患者さんには、長く継続して来院してほしいものです。そのためには、院内で過ごす時間が快適なものでなければなりません。歯科医師の治療技術はもとより、スタッフの接遇応対や環境整備、具体的でわかりやすい治療内容の説明を行う体制づくりなども需要な要素です。
　 たとえば、院内での説明用の資料や、持ち帰り用のパンフレット資料などの作成は、患者さんの定着を図るために、積極的にかけたい費用です。

３．紹介患者を呼び込む
　 歯科医院を患者さんに知ってもらうことができ、信頼を寄せる患者さんが定着すると、その患者さんを通じて新たな患者さんの獲得に力を注ぐことになります。つまり、紹介や口コミによる患者さんの獲得に向けて新たな取り組みを行うことになります。無料で配布する謝礼品や販促費の費用などは、患者さんの紹介を積極的に進めてもらうことを意図します。
　 HPや看板などで適切に医院のPRを行うことで、新たな患者さんとの出会いの前に人間関係が構築できます。医院に信頼を寄せ、安心して来院できることを狙いとして、内容を精査して費用の検討を行ってください。

門田 亮●デンタル・マネジメント・コンサルティング