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TopQ&A税務 > 居住用財産の譲渡損失の繰越控除と住宅ローン控除(2012年6月号)
Q&A
税務 (2012年6月号)
Q 居住用財産の譲渡損失の繰越控除と住宅ローン控除
1993年から郊外に居住用の戸建住宅を購入して住んでいますが、診療所までの通勤に時間がかかることと、高齢になってからの戸建住宅の管理は大変だと聞いているため、診療所の近くに建築中のマンションを購入することにしました。取得資金は、現在居住している戸建住宅の売却代金と3,000万円の住宅ローンを充てる予定にしています。この住宅の買い換えにより、戸建住宅については2,000万円ほどの売却損が発生します。この売却損については、所得税の特例があると聞いていますが、その特例の内容をお教えください。また、マンション取得に伴う借入金について、住宅ローン控除の適用を受けたいのですが、適用可能でしょうか。
──東京都・D歯科医院
A
  地価の高騰期は、都内である程度居住スペースを有する戸建住宅を取得することが困難な時代でしたので、都内から1時間以上離れた郊外で戸建住宅を取得する例が多くありました。その後、地価が大幅に下落すると、その下落率は郊外の住宅ほど大幅になり、住宅売却に係る売却損(譲渡損失)が発生することが多くなりました。しかし、2004年から土地建物の譲渡による損失の金額は、他の給与所得等の金額と損益通算ができなくなり、住宅の買い換えが進まない状況が生じていました。
  そこで、住み替えによる居住水準の向上を促進するとともに、住宅市場の活性化を図り、景気対策にも効果が大きい、住宅の買い換えを後押しするために、「居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の制度が2004年に創設されました。
  この特例は、2011年12月31日までの居住用財産の譲渡に適用されることになっていましたが、2012年度の税制改正により2013年12月31日まで延長されました。
  それでは、「その居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除」の制度内容について説明いたします。
1.制度の概要
 個人が一定の居住用財産を譲渡し、新たに借入金により一定の居住用財産を買い換えた場合のその譲渡資産に係る譲渡損失については、その年の給与所得等の金額と損益通算をすることができ、通算しきれない譲渡損失は、一定の要件のもとに、翌年以降1年間繰り越して損益通算ができることになっています。
2.適用を受けるための要件
【1】譲渡資産の要件
(1)2013年12月31日までにする家屋または土地(借地権等を含む)の譲渡であること
(2)その年における所有期間が5年超であること
(3)その譲渡した個人が居住の用に供していたこと
(4)その親族等に対する譲渡でないこと
  なお、敷地の譲渡については、500m2を超える部分に対応する損失金額は適用除外とされます。
【2】買換資産の要件
(1)譲渡の年の前年の1月1日から譲渡の年の翌年の12月31日までの間に一定の居住用家屋(居住用部分の床面積が50m2以上のものに限る)、またはその居住用家屋の敷地の取得であること
(2)(1)の住宅をその取得の日の翌年12月31日までの間に居住の用に供したとき、または供する見込みであること
【3】所得金額の要件
  譲渡の年の翌年以降3年間のうち合計所得金額が3,000万円以下である年分にかぎり、繰り越した譲渡損失を他の給与所得等と損益通算ができます。
【4】借入金の要件
(1)繰越控除を受けようとする年の年末に買換資産の取得に係る一定の住宅借入金残高を有すること
(2)買換資産に係る借入金は金融機関等から借り入れたものであり、契約による償還期間(返済期間)が10年以上とされるローンであること
※「住宅ローン控除」の説明は、誌面の都合上、次回(7月号)で紹介します。

今村 正税理士今村正事務所

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※過去に制作したものなので、現在の法令と異なる場合がございます。
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