解釈モデル

 患者が自らの病気を解釈する(illness、医師のとらえる疾病 disease)枠組みを、解釈モデルという。解釈モデルは米国発祥で、英国では患者の自分の病気に関する、1)理解(Ideas)認知、とらわれ、2)心配(Concerns) 感情、不安、3)期待(Expectations)治療への期待の頭文字をとってICEという。概念は共通で、患者が病気の当事者として、1)自分の病気はこれだ、2)これが原因で発症した、3)このくらい重い、4)予後はこうだろう、5)このような検査、治療が必要だなどの、患者自身での病気の解釈である。当然、医療者側では診察の結果、診断がなされ、治療方針が立てられる。そして、医療者の診断、治療方針と解釈モデルにズレがないかどうかを確認する必要があり、ズレがあった場合には治療を始める前に擦り合わせが必要となる。
すべての医療行為にあたって、患者の気持ちになってと教育される。この患者の気持ちが解釈モデルである。したがって、医療の場では、つねに解釈モデルの把握に努めるべきである。

デンタルダイヤモンド
2023年2月号
一覧へ戻る