日本臨床歯周病学会40周年記念大会開催される

日本臨床歯周病学会40周年記念大会が(大会長:清水宏康氏・東京都開業:写真)が、7月30日㈯、31日㈰、「歯周病のトータルマネジメント~40年間の革新と功績~」をテーマにパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)とWebのハイブリッド形式で開催された(参加者数:約2,500名)。 第1日目には40周年記念式典が催され、川崎功労賞の授与や、船越栄次氏(福岡県開業)、二階堂雅彦氏(東京都開業)による記念講演が行われた。
▲多種多様な講演・ミニセミナーをとおして、臨床に役立つ歯周病学を紹介すると語った清水氏

歯周病患者の歯の保存のストラテジー 特別講演1「Periodontal regeneration in intrabony defects: advancements of flap design and regenerative materials」 特別講演4「The edge of periodontal regeneration: giving hope to hopeless teeth」

歯周病患者の歯の保存のストラテジー・特別講演1「Periodontal regeneration in intrabony defects: advancements of flap design and regenerative materials」と特別講演4「The edge of periodontal regeneration: giving hope to hopeless teeth」では、Pierpaolo Cortellini氏(写真)が登壇。歯周組織再生療法について、関連材料の進化、MIST、M-MISTなどに至るまでのフラップデザインの発展、現在の世界における潮流を、多くの症例を示しながら解説した。

「歯周病患者の欠損部マネジメント」

「歯周病患者の欠損部マネジメント」では、山下素史氏(福岡県開業)が「オープンバリアメンブレンテクニック─低侵襲骨造成法の進化と今後の展望─」、雨宮 啓氏(神奈川県開業)が「上顎洞底挙上術におけるイノベーション」、岩田光弘氏(岡山県開業)が「欠損を有する重度歯周炎患者に対する包括的なマネジメントについて」と題して講演を行った。雨宮氏は、上顎臼歯部のハードティッシュマネジメントにおける術式選択などについて詳述した。

「歯科衛生士からみた長期歯周治療の部屋」

「歯科衛生士からみた長期歯周治療の部屋」をテーマにした講演では、薄井由枝氏(九州看護福祉大学:写真)が登壇。「ペリオドンタルディブライドメントを理解する!」と題し、SRP(Scaling and Root Planing)とペリオディブライドメントを比較しながら、それぞれの特徴を示しました。また、ハンドスケーラーと超音波スケーラーを適切に使用し、丁寧に時間をかけて施術することが重要であるとし、インスツルメントの正しい選択方法を解説しました。
▲一生懸命な人ほどよく悩むが、ポジティブに臨床に挑んでほしいと語った薄井氏

「歯科衛生士がおこなう歯周基本治療の部屋」

「歯科衛生士がおこなう歯周基本治療の部屋」をテーマにした講演では、下田裕子氏(水上歯科クリニック:写真)が登壇。「患者の人生を変えるための基本治療」と題し、OHI(口腔衛生指導)について具体的な会話例を示しながらわかりやすく解説しました。なかでも、患者と信頼関係を構築し、歯周基本治療を成功させるためには、興味をもって相手を知り、熱意をもって接することが大切であると強調しました。
▲つねに患者のためを考え、個々の患者に合った指導方法をみつけてほしいと訴えた下田氏

ミニセミナー⑫

ミニセミナー⑫では、柏井伸子氏(ハグクリエイション)が「易感染性を踏まえた歯周治療器材の取扱い注意点」と題して登壇し、器材の正しい洗浄・消毒・滅菌・保管の方法を解説。高齢化に伴う多疾患併存によってポリファーマシー状態の患者が増えて易感染性患者も増加するため、患者と歯科医療従事者側の双方にとって安全な環境整備が必要であると語りました。
月刊デンタルダイヤモンド 2022年8月号
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