家森正志 Masashi YAMORI
滋賀医科大学医学部 歯科口腔外科学講座
〒520-2192 滋賀県大津市瀬田月輪町

図❶ パノラマX線写真

図❷ 初診時デンタルX線写真

図❸ 病理組織写真
患者:61歳、男性
初診:2016年4月中旬
主訴:下顎右側智歯の疼痛(歯冠周囲のX線透過性病変の治療依頼)
現病歴:2013年に近在歯科医院受診時にパノラマX線写真を撮影したところ、8が骨性埋伏しているのを指摘された(図❶a)。2015年のパノラマX線写真において、8歯冠周囲の透過像はやや拡大していたが、症状がないため経過観察となった(図❶b)。2016年4月初旬より下顎右側に疼痛を認め、近在歯科医院を受診。パノラマX線写真にて8歯冠周囲の透過像が拡大していたため、当科紹介され受診した。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現症:
口腔外所見:顔貌は左右対称で、右側頬部に発赤、腫脹は認めなかった。下唇の知覚異常は認めなかった。頸部および顎下部に腫大したリンパ節は触知しなかった。
口腔内所見:7遠心歯肉の表面は平滑で軽度の発赤およびび漫性の腫脹を認め、同部の圧迫にて7遠心歯肉ポケットより排膿を認めた。
画像所見:デンタルX線写真にて8歯冠周囲に境界不明瞭な透過像を認めた(図❷)。
処置および経過:初診時、局所洗浄と抗菌薬投与を行った。4月下旬および5月初旬にも同部の疼痛のために受診され、局所洗浄と抗菌薬の処方を行った。5月下旬同部の疼痛を繰り返すため、7遠心歯肉の切開を行い、組織を一部採取して病理組織検査を行った(図❸)。
初診:2016年4月中旬
主訴:下顎右側智歯の疼痛(歯冠周囲のX線透過性病変の治療依頼)
現病歴:2013年に近在歯科医院受診時にパノラマX線写真を撮影したところ、8が骨性埋伏しているのを指摘された(図❶a)。2015年のパノラマX線写真において、8歯冠周囲の透過像はやや拡大していたが、症状がないため経過観察となった(図❶b)。2016年4月初旬より下顎右側に疼痛を認め、近在歯科医院を受診。パノラマX線写真にて8歯冠周囲の透過像が拡大していたため、当科紹介され受診した。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現症:
口腔外所見:顔貌は左右対称で、右側頬部に発赤、腫脹は認めなかった。下唇の知覚異常は認めなかった。頸部および顎下部に腫大したリンパ節は触知しなかった。
口腔内所見:7遠心歯肉の表面は平滑で軽度の発赤およびび漫性の腫脹を認め、同部の圧迫にて7遠心歯肉ポケットより排膿を認めた。
画像所見:デンタルX線写真にて8歯冠周囲に境界不明瞭な透過像を認めた(図❷)。
処置および経過:初診時、局所洗浄と抗菌薬投与を行った。4月下旬および5月初旬にも同部の疼痛のために受診され、局所洗浄と抗菌薬の処方を行った。5月下旬同部の疼痛を繰り返すため、7遠心歯肉の切開を行い、組織を一部採取して病理組織検査を行った(図❸)。
Q 最も疑われる疾患名は?
![歯科医療従事者のための専門メディア : Dental Diamond[デンタルダイヤモンド]](https://dental-diamond.jp/pages/wp-content/uploads/2022/05/cropped-名称未設定d.png)





















① 含歯性嚢胞
② 智歯周囲炎
③ 歯原性角化嚢胞
④ 原発性骨内癌