Dd診断力てすと『頬粘膜の潰瘍』デンタルダイヤモンド 2020年8月号

桑原 徹 Toru KUWAHARA
JA新潟上越総合病院 歯科口腔外科
〒943-8507 新潟県上越市大道福田616


図❶ 初診時の口腔内所見

図❷ 抜歯前のパノラマX線写真


患者:45歳、男性
主訴:右側頬粘膜が荒れている
既往歴:高血圧症、高脂血症
現病歴:以前から右側上下智歯による頬粘膜の誤咬を繰り返すため、半年前に近医歯科にて右側上下智歯抜歯行った。その後、誤咬することはなくなったが、右側頬粘膜の違和感は持続、初診2週間前に右側頬粘膜の潰瘍形成に気づき、精査・加療を目的に当科を受診となった。
家族歴:特記事項なし
現症:全身所見に特記事項なし
口腔外所見:特記事項なし
口腔内所見:右側頬粘膜に表面軽度凹凸不正、18×23mmの隆起性の潰瘍形成を認めた(図❶)。
臨床検査所見:血液検査にて異常値は認められなかった。
X線所見:抜歯前のパノラマX線写真では上下智歯以外に、上下顎骨に異常所見は認めない(図❷)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 頬粘膜がん
化膿性肉芽腫
③ 壊死性潰瘍性口内炎

線維腫