Dd診断力てすと『舌縁部の表面不整な腫瘤』デンタルダイヤモンド 2018年1月号

尾木秀直 Hidenao OGI
熊本大学大学院生命科学研究部
総合医薬科学部門感覚・運動医学講座 歯科口腔外科学分野
〒860-8556 熊本県熊本市中央区本荘1-1-1


図❶ 当科初診時の口腔内写真


患者:40歳、女性
主訴:舌の口内炎部が盛り上がり、食事時に咬んで出血したり、刺激物がしみるようになった。
既往歴:妊娠33週(母子ともに健康)
現病歴:約1ヵ月前より、舌縁の口内炎を自覚するようになった。口内炎は2~3週間経過しても治らず、急速に隆起が目立つようになったため、近歯科医院を受診。精査加療目的にて当科に紹介受診となった。
現症:体格中等度、 栄養状態良好。左側舌縁部に無痛性の長径10mm程度の肉芽腫様腫瘤を認めた(図❶)。 腫瘤は有茎性で弾性軟であり、周囲には糸状乳頭状の過形成を呈していた。また、腫瘤に対応する部位のはインレーが脱離していたが、加療はなされていなかった。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 舌化膿性肉芽腫
舌疣贅状黄色腫
③ 舌静脈性血管奇形

舌がん