第38回日本顎関節学会総会・学術大会(大会長:小見山 道氏・日大松戸)が、7月12日(土)、13日(日)、学術総合センター(東京都千代田区)において開催された(参加者:約750名)。
「顎関節の未来に向かって─今、わかっていること、わかっていないこと─」をテーマに、11のシンポジウムやハンズオンセミナーなどが行われた。
シンポジウム10「慢性疼痛を伴う顎関節症の基礎的メカニズムと臨床的対応」は、日本口腔顔面痛学会と共催で行われ、加藤総夫氏(東京慈恵会医科大学)、伊達 久氏(仙台ペインクリニック)、村岡 渡氏(川崎市立井田病院)の3名が登壇した。なかでも加藤氏は痛みの3つの分類について述べ、近年定義された「痛覚変調性疼痛」は原因の特定が困難であり、従来の概念とは異なる痛みであると解説した。また、痛みの科学的理解をアップデートし、痛みを訴える“患者”を診る医療の重要性を強調した。
シンポジウム5「顎関節症のマネジメントに大切な睡眠歯科学のアップデート〜睡眠と痛み、ブラキシズム、呼吸障害〜」は、日本睡眠歯科学会の後援で行われ、小川 徹氏(東北大学病院)、飯田 崇氏(日大松戸)、鈴木善貴氏(徳大院)の3名が登壇。なかでも鈴木氏は、睡眠時ブラキシズムの睡眠時・覚醒時、リズム性・非リズム性、一次性・二次性といった分類を紹介し、その定義と変遷、診断の基準を解説した。また、診断基準としてSTABや、より簡便なBRUXSCREENを紹介した。
第38回日本顎関節学会総会・学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年9月号掲載】
