湯本浩通 Hiromichi YUMOTO 二宮雅美 Masami NINOMIYA
徳島大学大学院医歯薬学研究部 歯周歯内治療学分野



図❷ 初診時のパノラマおよびデンタルX線画像
患者:69歳、女性
主訴:65歯肉の腫脹
現病歴:近医にて65歯肉の腫脹と歯根肥大を認め、2ヵ月間の根管治療後、連結冠を装着した。しかし、その後も頰側歯肉の腫脹を認めたため、根の破折を考慮して6のみ除冠し、切開・排膿を行ったが、腫脹を繰り返すとのことで精査・加療目的に本院へ紹介となった。
全身既往歴:高コレステロール血症、甲状腺機能低下症(チラージン内服)
家族歴:特記事項なし
アレルギー(薬物):クラリスロマイシン
現症:6はテンポラリークラウンに置き換えられており、近心頰側歯肉辺縁部に軽度の発赤、腫脹と圧痛を認め、自発痛はなかったが打診痛を認めた。5にはとくに臨床症状は認めなかった(図1)。歯周組織検査では、5は全周3mm以内であったが、6近心頰側のみにほぼ根尖付近まで達する12mmの歯周ポケットを認めた。なお、動揺は認められなかった。
X線画像所見:パノラマX線画像では、65にセメント質肥厚を認め、さらに歯間歯槽部に辺縁がやや不正形のX線透過像を認めた。デンタルX線画像では、65間に根尖部にまで及ぶやや辺縁が波打ったイレギュラーな形態で境界明瞭な透過像と、65根周囲に石灰化物を認めた(図2)。
Q 最も疑われる疾患名は?

① 歯根破折
② セメント質腫
③ 歯周病由来炎症性疾患
④ 根管側枝由来炎症性疾患
\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2025年7月号に掲載中!/
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月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2025年7月号より、「再発を繰り返す下顎臼歯部歯肉の腫脹」についてです。