大矢亮一
Ryoichi OYA
産業医科大学病院 歯科口腔外科
〒807-8556 福岡県北九州市八幡西区医生ヶ丘1-1

図❶ 頬粘膜部に潰瘍を認める

図❷ 舌、下唇粘膜部に白色偽膜の多発を認める
患者:30代、男性
主訴:口腔内の難治性潰瘍と疼痛、ならびに摂食障害
既往歴:間質性肺炎
現病歴:初診の約1ヵ月前より右頬粘膜の腫脹を自覚した。その後、開口障害、嚥下障害も出現したため、201X年に近在大学附属病院を受診した。入院下の精査と抗菌薬投与を受け、症状はやや改善するも、頬部腫脹は縮小せず、潰瘍は残存していた。当院で受診歴があることから、口腔内病変の診断と治療を目的に紹介された。
初診時現症:口腔外所見は顔面左右対称、開口域1.5横指で開口障害を認めた。口腔内所見は右頬粘膜から右上顎歯肉にかけて潰瘍を認め、表面粗造、圧痛を有し出血性であった(図❶)。潰瘍周囲に硬結を触知し、境界やや不明瞭であった。左頬粘膜、舌に清拭可能な多発性白色偽膜性病変を認めた(図❷)。
主訴:口腔内の難治性潰瘍と疼痛、ならびに摂食障害
既往歴:間質性肺炎
現病歴:初診の約1ヵ月前より右頬粘膜の腫脹を自覚した。その後、開口障害、嚥下障害も出現したため、201X年に近在大学附属病院を受診した。入院下の精査と抗菌薬投与を受け、症状はやや改善するも、頬部腫脹は縮小せず、潰瘍は残存していた。当院で受診歴があることから、口腔内病変の診断と治療を目的に紹介された。
初診時現症:口腔外所見は顔面左右対称、開口域1.5横指で開口障害を認めた。口腔内所見は右頬粘膜から右上顎歯肉にかけて潰瘍を認め、表面粗造、圧痛を有し出血性であった(図❶)。潰瘍周囲に硬結を触知し、境界やや不明瞭であった。左頬粘膜、舌に清拭可能な多発性白色偽膜性病変を認めた(図❷)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 頬粘膜がん
② 梅毒
③ 結核
④ HIV感染による
進行性壊死性潰瘍