刊行にあたって:実践! 離乳食・幼児食指導のビジュアルガイドブック “食”のつまずきの原因・対処法がすぐわかる!|本のエッセンス

実践! 離乳食・幼児食指導のビジュアルガイドブック “食”のつまずきの原因・対処法がすぐわかる!

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、実践! 離乳食・幼児食指導のビジュアルガイドブック “食”のつまずきの原因・対処法がすぐわかる!です。

ゼネラルデンタルカタログ

刊行にあたって

 離乳食についての悩みは、育児の困りごとのなかでもつねに上位に入る難しい問題です。2018年に小児口腔機能管理加算が保険収載され、歯科診療のすそ野が、歯の生えていない乳児期まで広がりましたが、実際の臨床において離乳食に悩む保育者に診療室で説明できるアイテムがほとんどありませんでした。また、保育者自身が子どもの摂食の異常に気づいていない場合もあり、歯科医療従事者側からアプローチをするにも、そのとりかかりをどうしてよいか迷うこともありました。
 このような問題を少しでも解決できないかと思っていたなかで、月刊デンタルダイヤモンド2020年7月号「誌上テーブルクリニック」にて「外木徳子の乳幼児期からの口腔機能育成支援」と題して、口育のとりかかりとなる考え方を掲載いたしました。
 離乳食・幼児食を口腔機能育成の視点から進めていくという考え方は、小児歯科医ならあたり前のことです。それにもかかわらず、実際には暦年齢による指導を示す書籍やインフォメーションがほとんどです。そのため私たちは、離乳食・幼児食を進めるとき、口腔機能育成の観点から口腔内の状態、全身発達状態、感覚運動発達状態などを総合的に捉え、個人に合った指導が必要であることを、もっと多くの歯科医療従事者をはじめ、乳幼児にかかわる人たちに知ってほしいと考えておりました。
 そこで、当院で実際に指導にあたっている田村聡子先生(小児歯科専門医)と濱田郁美歯科衛生士とともに、保育者や乳幼児に携わる人たちが具体的にアドバイスしやすくなるような本書の作成に取りかかりました。

 本書の特徴は以下のとおりです。
①口腔機能育成の視点から、各離乳食時期に沿った離乳食のポイントがわかる。
②各時期に発生しやすい“困った!”を挙げる。
③“困った!”に対して考えられる原因を提示して、保育者の振り返りを促す。
④該当する原因の解決法を提案する。

 “困った!”に対して1つずつ原因と対処法を端的に示すことで、保育者への指導がしやすくなっています。また、図・イラストを多く載せ、具体的な遊びや運動の提示もイメージしやすくしました。さらに付録として、診療室ですぐ使える問診票や、成長のパーセンタイルのグラフ、保険診療で使える離乳前後の記録表などが掲載されています。
 まずは、保育者に離乳食の様子を尋ねてみてください。思ったよりたくさんの悩みを抱えていることに驚くことでしょう。本書が少しでも多くの子育てにかかわる人たちの助けになることを祈っています。

刊行にあたって
2023年12月
外木 徳子

CONTENTS


実践!離乳食・幼児食指導のビジュアルガイドブック もくじ

監修者略歴

外木 徳子(とのぎ のりこ)

1983 年 東京歯科大学 卒業 小児歯科学講座助手として入局
1992 年 博士「歯学」学位 取得 日本小児歯科学会認定医 取得
1994 年 東京歯科大学 退職  小児歯科学講座非常勤講師 就任
     とのぎ小児歯科 開院
2005 年 日本小児歯科学会専門医 取得
2010 年 日本小児歯科学会専門医指導医 取得
2022 年3月 小児歯科学講座非常勤講師 定年退職
現在に至る

学校法人アポロ学園アポロ歯科衛生士専門学校 講師
千葉県小児歯科医会 役員
千葉市児童相談所嘱託医
婦人の友社 乳幼児グループ友の会嘱託医

実践!離乳食・幼児食指導のビジュアルガイドブック 表紙