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本書を発行するにあたり
「下顎総義歯吸着印象法」とは、1999年に阿部二郎氏によって提唱された、従来は困難とされていた下顎総義歯の吸着を目的とした閉口機能印象を用いた手法である）。
下顎総義歯も上顎と同様に義歯床縁全周囲を口腔粘膜の可動組織によって封鎖できれば吸着が可能であるとした。
また、一般臨床医において吸着印象法を用いて製作した全部床義歯のQOLをOHIP-EDENT-J（口腔関連QOL多軸的機能評価）を用いて評価し、それに影響を及ぼす要因について調査した結果、吸着印象法によって製作された義歯が有用である可能性が示唆された報告もある）。
今回、『What is Suction Denture？』、『This is Suction Denture！』、『“Questions！”about Suction Dentures.』に続く第4弾として、アドバンスである「より吸着を高める施術法」と、増え続けていると思われる「顕著な高度顎堤吸収症例の攻略法」に言及した。
本書を、無歯顎補綴難症例に取り組むすべての医療スタッフに捧げたい。
2024年４月
佐藤勝史
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監修者略歴
佐藤 勝史(さとう かつし)
佐藤歯科医院 ラ・フランス オフィス
山形県東根市開業
【おもな役職・研修会】
日本顎咬合学会理事 前東北支部支部長
有床義歯学会（JPDA：Japan Plate Denture Association）理事
JCPG（日本臨床歯周療法集談会）理事
GC総義歯セミナーインストラクター
リヒテンシュタインにてBPS Dentistの認証を取得
てんとう虫スタディーグループ（東京）
月一会（仙台）
勝史塾主宰（山形）
本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、『Ultimate Suction Denture! 「100％吸着」と「高度顎堤吸収症例」に挑む』です。