Dd診断力てすと『炎症を伴う口蓋隆起』デンタルダイヤモンド 2024年3月号

Dd診断力てすと『炎症を伴う口蓋隆起』デンタルダイヤモンド 2024年3月号

阿部陽子 Yoko ABE
仙台赤十字病院 歯科口腔外科
〒982-8501 宮城県仙台市太白区八木山本町二丁目43-3

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2024年3月号より、「炎症を伴う口蓋隆起」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ


図❶ 初診時の口腔内写真
図❶ 初診時の口腔内写真
図❷ 初診時のCT 画像(左:水平断、右:矢状断)
図❷ 初診時のCT 画像(左:水平断、右:矢状断)
患者:83歳、女性
主訴:上顎のただれが治らない
現病歴:3ヵ月前に口蓋に口内炎ができ、かかりつけ歯科を受診。口内炎の診断で含嗽剤と軟膏を処方されたが改善せず、当科へ紹介となった。既往歴:高脂血症にてアトルバスタチン®を処方されている。骨粗鬆症にて15年間リカルボン®を内服していたが、骨密度が安定しているため当科初診の1ヵ月前から中止になり、現在はエルデカルシトール®のみ内服継続中。
現症
口腔外所見;顔面腫脹や水疱形成は認められず、鼻閉症状、開口障害もない。また、顎下や頸部に腫大リンパ節も認められない。
口腔内所見(図1);口蓋に約22×25mmの骨様硬の隆起があり、右側隆起に直径2mm程度の骨露出も認められた。隆起を被覆する右側口蓋粘膜は全体に炎症所見を呈し、隆起外側に肉芽を、後方に2ヵ所瘻孔を認めた。露出骨と肉芽部に接触痛があるものの、自発痛はない。
画像所見
CT画像(図2);おおむね左右対称の分葉状の結節性隆起を硬口蓋に認め、骨性濃度のCT値を示す。右後方の隆起部には一部に骨融解像を認めたが、鼻腔底へは及んでいなかった。


Q 最も疑われる疾患名は?

① 口腔カンジダ症
② MRONJ(薬剤関連顎骨壊死)
③ アフタ性口内炎

④ 帯状疱疹

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2024年3月号に掲載中!/

デンタルダイヤモンド 2024年3月号 表紙

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