日本歯科保存学会2022年度春季学術大会(第156回)開催される

 日本歯科保存学会2022年度春季学術大会(第156回)が、6月16日㈭〜7月6日㈬、Web配信形式にて開催された(大会長:木村裕一氏・奥羽大歯;写真)。

特別講演

 特別講演では佐々木 元氏(School of Dentistry University of Michigan)が「肥満での根尖性歯周炎について考える」と題し、病的肥満マウスと普通体重マウスを使った基礎研究をもとに、根尖性歯周炎の発症進展機序の違いに関する考察を行った。そして、肥満と根尖性歯周炎の関係の全容の解明から、治療の成功率や患者のQOLの向上に繫がる道を見つけることができるという希望をもって現在も研究を続けていると結んだ。

学会主導型シンポジウム「歯科保存学から歯科医師が目指す医療」

 学会主導型シンポジウムでは「歯科保存学から歯科医師が目指す医療」をテーマに臨床・基礎・行政・同学会元理事長の立場から4題の講演が行われた。なかでも仲野和彦氏(阪大院歯)は「ミュータンスレンサ球菌が引き起こす循環器疾患」と題し登壇。Streptococcus mutansは口腔レンサ球菌の一種で感染性心内膜炎の起炎菌としても知られるとしたうえで、ラットを使ったCnm陽性菌の心内膜炎への病原性の検討に関する実験やラットう蝕モデルによる研究などを紹介し、歯科疾患と循環器疾患との関連について解説した。

シンポジウム1「歯周病学の不易流行」

 シンポジウム1「歯周病学の不易流行」では4題の講演が行われた。なかでも齋藤 淳氏(東歯大)は「歯周組織再生療法の最前線」と題し、FGF-2製剤を使用した歯周組織再生療法の実際や骨補填材との併用について解説した。

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