Dd診断力てすと『抜歯後も残存する歯肉腫脹』デンタルダイヤモンド 2025年5月号

患者：36歳、女性
主訴：１歯肉の腫脹
既往歴：特記事項なし
現病歴：当科初診２ヵ月前より、１唇側歯肉の腫脹を自覚し、かかりつけの歯科医院を受診した。同歯科で１歯根破折の診断で抜歯されたが、同部の腫脹は改善せず、当科を紹介され受診した。
現症：
全身状態；体格良好、栄養状態良好。
口腔外所見；顔貌は左右対称で、所属リンパ節に腫脹、圧痛は認めなかった。
口腔内所見；１唇側歯肉に境界やや不明瞭な12×11㎜大の類球形、表面滑沢、粘膜色の腫脹を認め、触診で弾性硬、圧痛は認めなかった（図１）。なお、１部にはテンポラリークラウンが装着され、抜歯窩歯肉は少々陥凹していたが、発赤などは認めなかった。
画像所見：デンタルＸ線写真（図２）では１抜歯窩歯槽頂近心部に不整形の不透過像を認めた（矢印）。また、根尖部に境界明瞭な１～２mm大の不透過像を認めた。CT矢状断（図３）では１抜歯窩唇側の骨は膨隆し、内部はやや不均一な透過像を呈していた（矢頭）。

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