9月10日㈯、11日㈰、東京国際交流館国際交流会議場(東京都江東区)において、第10回日本病巣疾患研究会(JFIR)総会・学術集会が行われた(理事長:堀田 修氏・堀田修クリニック、参加者:約150名)。
特別講演1で登壇した安藤正之氏(東京都開業)は、現代人は咀嚼不足や遺伝によって歯列の狭小化が進んでいると指摘し、それに伴う舌への刺激、下顎偏位、咬合不良などがもたらす不定愁訴やその他のストレスを含めた“口腔ストレス症候群”について考察した。また、その解決には、歯科医師による矯正治療と咬合調整が不可欠であると強調。医師・歯科医師が不定愁訴への理解を深めて連携することが求められると語った。
シンポジウム2「舌、歯、全身の関係」では、澁川義幸氏(東歯大)、今井一彰氏(みらいクリニック)、西山耕一郎氏(西山耳鼻咽喉科医院)が登壇した。
澁川氏は、摂食・構音・感覚などの舌がもつ機能を解説し、舌を含めた口腔器官の感覚が高度に情報処理されていることを、研究結果をもとに示した。
今井氏は、舌の安静位が全身に与える影響として、自律神経の問題と、姿勢との関係について解説。よりよい心身活動を送るにあたり、舌の重要性は今後ますます高まると述べた。
西山氏は、耳鼻咽喉科頭頸部外科医としての知見に基づき、嚥下障害について解説。飲み込みづらさや嚥下の問題は咽頭・喉頭で生じていると述べ、食道および気道の解剖学的・生理学的理解の重要性を語った。