日本デジタル歯科学会第16回学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年7月号掲載】

日本デジタル歯科学会第16回学術大会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年7月号掲載】

 5月10(土)、11日(日)の両日、日本歯科大学生命歯学部(東京都千代田区)において、日本デジタル歯科学会第16回学術大会が開催された(大会長:新谷明一氏・日歯大)。「デジタル技術の潮流と確信─デジタル技術は歯科医療をどう変革したか?─」をメインテーマに、各種講演が行われた。
 特別講演1では、「デジタルデンティストリーにおけるフィニッシュラインの重要性」を演題に、山﨑長郎氏(東京都開業)が講演を行った。デジタル歯科補綴治療の鍵は支台歯形成にあるとし、自身の臨床例を通して、フィニッシュラインの明瞭な支台歯形成を行う際のテクニックを紹介した。
 企画講演「CAD/CAM冠の保険導入は歯科医療を変革させたか?」では、座長の疋田一洋氏(北医大歯)のもと、三浦賞子氏(明海大歯)、安部倉 仁氏(広大歯)、峯 篤史氏(阪大院歯)の3名が登壇し、CAD/CAM冠導入から10年で蓄積された臨床データを基にCAD/CAM冠の現状とこれからについて述べた。なかでも峯氏は、「冠脱離が導いた3つの意識改革:接着技術、製作と治療、教育」をテーマに、CAD/CAM冠の普及に伴う、脱離症例の増加によって、従来より接着テクノロジーや、治療・教育の質が向上したという、CAD/CAM冠保険導入による歯科医療全体の質の変化を解説した。
 その他、佐々木啓一氏(宮城大学学長)は教育現場でのDXの活用(AR技術など)事例を特別講演にて紹介した。

デンタルダイヤモンド 2025年7月号