本のエッセンス｜はじめに：チームで成功させるホワイトニング

はじめに

　現在、ホワイトニングについては、歯科医療従事者はもちろんのこと、患者にもその知識は広がっている。しかし、ホワイトニングが 「当たり前」 になってきているなかで、実際に医院で取り入れても、うまく効果を出すことができず、逆に医院の信頼を損なうようなこともあると考えられる。
　また、特定商取引法（特商法）に関する政令が改正され、2017年12月1日より施行された（表1）。本改正では、美容医療のなかで5種類の施術が追加され、クーリングオフが可能となった。そのなかにホワイトニング（歯牙の漂白薬物等の塗布による方法）が含まれている。すなわち、5万円以上でかつ1ヵ月以上のホワイトニング契約は契約者から通知があった場合、解約、返金しなければならないような可能性もでてきた。そのような流れのなかで、歯科医師、歯科衛生士には患者満足や信頼を獲得するために、ホワイトニングに関する知識をしっかりともち、実践する必要性がより高まったといえる。
　そこで本書では、日頃忙しい歯科医師、歯科衛生士の皆さんにホワイトニングのポイントや勘所を楽しく、短時間で押さえられるよう「ホワイトニングの壁」と「乗り越え方」を設定し、明確に問題を乗り越えていける構成とした。さらに、より知識を深めるために「JUMP UP!」として、ホワイトニングの知識の裏付けになるような話題をコラム的な読み物としてまとめている。
　本書が各医院でのホワイトニング臨床の一助となり、医院の活性化につながれば幸いである。

2019年3月
須崎 明

特定継続的役務提供に追加された美容医療契約
【概要】
●今般、消費者委員会からの答申を受け、消費者からの苦情相談の状況や役務の継続性などを踏まえつつ、一定の美容医療契約を特定継続的役務提供に追加することとした。
●具体的には政令を改正し、政令別表第2の項では、「人の皮膚を清潔にしもしくは美化し、体型を整え、体重を減じ、又は歯牙を漂白するための医学的処置、手術及びその他の治療を行うこと（美容を目的とするものであって、主務省令で定める方法によるものに限る。）。」と規定している。主務省令第31条の4では、以下の通り役務ごとに方法が規定されている。以下の方法により行われる役務であって、1月超かつ5万円超の契約が特定継続的役務提供の規制対象となる（対象となるのは平成29年12月1日以降に締結された契約）。

表1
特定商取引法（特商法）に関する政令が改正され、2017年12月1日より施行された

【主務省令規定事項】

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