由良義明
Yoshiaki YURA
大阪大学大学院歯学研究科
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1-8

図❶ 初診時の口腔内写真、下唇病変

図❷ 同、咽頭部病変
患者:85歳、女性
主訴:口腔の疼痛
既往歴:高血圧症、口腔乾燥症
現病歴:初診の約3週間前から口腔内の疼痛を覚えるようになり、近在の診療所を経て、病院耳鼻咽喉科を受診した。入院下に栄養管理を行い症状の改善を認めたため退院したが、2~3日前から再度口腔内疼痛を覚えるようになった。口腔外科での診察を希望して来院した。なお、以前に当院で口腔乾燥症、舌痛症の治療を受けたことがあった。また、これまでに同様の口腔内潰瘍を経験したことはなかった。
現症:上唇ならびに下唇粘膜に小潰瘍が多発しており、咽頭部にも病変が存在していた(図❶❷)。強い接触時痛を生じた。熱感はなく、顎下リンパ節のあきらかな腫脹や圧痛は認めなかった。
臨床検査所見:血液検査において、白血球数9,000/μL、CRP0.9㎎/dLと軽度上昇がみられた。貧血はなかった。抗単純ヘルペスウイルス(HSV)補体結合(CF)抗体は<4、抗水痘-帯状疱疹(VZV)CF抗体は×4であった。。
主訴:口腔の疼痛
既往歴:高血圧症、口腔乾燥症
現病歴:初診の約3週間前から口腔内の疼痛を覚えるようになり、近在の診療所を経て、病院耳鼻咽喉科を受診した。入院下に栄養管理を行い症状の改善を認めたため退院したが、2~3日前から再度口腔内疼痛を覚えるようになった。口腔外科での診察を希望して来院した。なお、以前に当院で口腔乾燥症、舌痛症の治療を受けたことがあった。また、これまでに同様の口腔内潰瘍を経験したことはなかった。
現症:上唇ならびに下唇粘膜に小潰瘍が多発しており、咽頭部にも病変が存在していた(図❶❷)。強い接触時痛を生じた。熱感はなく、顎下リンパ節のあきらかな腫脹や圧痛は認めなかった。
臨床検査所見:血液検査において、白血球数9,000/μL、CRP0.9㎎/dLと軽度上昇がみられた。貧血はなかった。抗単純ヘルペスウイルス(HSV)補体結合(CF)抗体は<4、抗水痘-帯状疱疹(VZV)CF抗体は×4であった。。
Q 最も疑われる疾患名は?
① ヘルペス性歯肉口内炎
② ヘルパンギーナ
③ アフタ性口内炎
④ 薬物性口内炎