水谷美保 Miho MIZUTANI
山城正司 Masashi YAMASHIRO
NTT東日本関東病院 歯科口腔外科
〒141-8625 東京都品川区東五反田5-9-22

図❶ 初診時の左上唇部

図❷ PET/CT所見
患者:36歳、男性
主訴:左上唇の腫瘤、左頸部の腫脹
既往歴:特記事項なし
現病歴:初診1ヵ月前より左上唇に潰瘍を自覚した。近歯科受診し、ステロイド軟膏を塗布するも改善せず。初診半月前より、左頸部に腫脹を自覚。精査・加療目的に当科紹介初診となった。
現症:左上唇粘膜に、表面粘膜平滑、周囲に硬結を伴う15×13mm大の潰瘍を認めた(図❶)。同部に自発痛や接触痛は認めなかった。口腔内の他の粘膜に異常所見は認めなかった。また、左顎下部に2個の可動性リンパ節腫大を認めたが、圧痛はみられなかった。
初診時血液検査:末梢血;白血球数6,200/μL、赤血球数 469×104/μL、血小板数 23.2×104/μL、ヘモグロビン 14.6g/dL
生化学;CRP 1.0㎎/dL、Alb 4.1g/dL、ALP 347IU/L、γGTP 81IU/L
腫瘍マーカー;SCC 1.2ng/dL(正常値:1.5以下)
画像所見:造影CT・造影MRIにて、オトガイ下~左顎下~左深頸部リンパ節に複数のリンパ節腫大を認めるものの、内部は比較的均一であった。PET/CTでは、左上唇にSUVmax6.2のFDG集積と、上咽頭・口蓋扁桃・オトガイ下~顎下部を含む頸部リンパ節にFDG集積を認めた。また、肝門部~膵頭部周囲のリンパ節にもSUVmax7.1のFDG集積を認め、多発するリンパ節病変を認めた(図❷)。
主訴:左上唇の腫瘤、左頸部の腫脹
既往歴:特記事項なし
現病歴:初診1ヵ月前より左上唇に潰瘍を自覚した。近歯科受診し、ステロイド軟膏を塗布するも改善せず。初診半月前より、左頸部に腫脹を自覚。精査・加療目的に当科紹介初診となった。
現症:左上唇粘膜に、表面粘膜平滑、周囲に硬結を伴う15×13mm大の潰瘍を認めた(図❶)。同部に自発痛や接触痛は認めなかった。口腔内の他の粘膜に異常所見は認めなかった。また、左顎下部に2個の可動性リンパ節腫大を認めたが、圧痛はみられなかった。
初診時血液検査:末梢血;白血球数6,200/μL、赤血球数 469×104/μL、血小板数 23.2×104/μL、ヘモグロビン 14.6g/dL
生化学;CRP 1.0㎎/dL、Alb 4.1g/dL、ALP 347IU/L、γGTP 81IU/L
腫瘍マーカー;SCC 1.2ng/dL(正常値:1.5以下)
画像所見:造影CT・造影MRIにて、オトガイ下~左顎下~左深頸部リンパ節に複数のリンパ節腫大を認めるものの、内部は比較的均一であった。PET/CTでは、左上唇にSUVmax6.2のFDG集積と、上咽頭・口蓋扁桃・オトガイ下~顎下部を含む頸部リンパ節にFDG集積を認めた。また、肝門部~膵頭部周囲のリンパ節にもSUVmax7.1のFDG集積を認め、多発するリンパ節病変を認めた(図❷)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 上唇悪性腫瘍
② 悪性リンパ腫
③ 口腔梅毒
④ ヘルペス性口内炎