Dd診断力てすと『軟口蓋の白斑と粗造感』デンタルダイヤモンド 2022年5月号

小村 健
Ken OMURA
総合東京病院 口腔外科
〒165-8906 東京都中野区江古田3-15-2


図❶ 初診時の口腔内写真


患者:生後17日、男児
主訴:右側軟口蓋部の白斑と粗造感
既往歴:特記事項なし
家族歴:特記事項なし
生活歴:飲酒 ウイスキー1/3ボトル(日×30年)、喫煙 20本(日×35年)
現病歴:初診5ヵ月前より右側軟口蓋部に粗造感を自覚し、かかりつけ歯科を受診した。右側軟口蓋に比較的均一な白斑が認められ、経過観察を行っていた。以後、自覚症状に変化はなかったが、初診1ヵ月前より白斑の一部に紅斑が混在するようになったため、精査・加療目的に紹介受診した。
現症:体格中等度、栄養状態は良好。右側軟口蓋から前口蓋弓上部にかけて、2.5×1.5cm大の一部に紅斑を伴うやや隆起する白斑を認めた。白斑は擦過により除去できなかった(図❶)。なお、顎下および頸部のリンパ節に腫大はなく、全身的にもあきらかな異常は認めなかった。
臨床検査所見:血液検査において、総蛋白7.2g/dL、AST 22U/L、ALT 13U/L、尿酸 9.5mg/dL、CRP 0.08mg/dL、血糖 135mg/dL、HbA1c 6.9%、白血球数 4,590/μL、血色素量14.5g/dLであり、糖尿病、高尿酸血症が疑われた。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 口腔カンジダ症
白板症
③ 口腔扁平苔癬

紅板症