目瀬 浩 Hiroshi MESE
福山市民病院 歯科口腔外科 〒721-8511 広島県福山市蔵王町5-23-1

図❶ 口蓋垂を中心に軽度のびらんを伴う乳白斑
表(1) 検査データ
WBC | 57×100/μL | TP | 7.1g/dL | HCV抗体 | (-) |
---|---|---|---|---|---|
RBC | 462×1万/μL | Alb | 3.7g/dL | HBs抗原 | (-) |
Hb | 12.8g/dL | BUN | 19.9mg/dL | TP抗体 | (+) |
Ht | 39.7% | Cre | 0.66mg/dL | HIV | (-) |
PLT | 21.8×1万/μL | Na | 141mEq/L | RPR | >3,000 |
AST | 39.7% | K | 4.2mEq/L | FTA-ABS(定量) | 1,280 |
ALT | 15 IU/L | Cl | 105mEq/L | ||
γ-GTP | 166 IU/L | CRP | 0.34mg/dL |
患者:58歳、男性
初診:20××年4月
主訴:軟口蓋部の違和感
現病歴:20××年2月ごろから軟口蓋部の違和感を自覚し、ときどき含嗽時の出血を認めたため、かかりつけ歯科医院を受診した。口内炎とのことで、ステロイド軟膏と含嗽剤を処方され経過観察されていたものの、症状は改善せず、増悪傾向のため当科を紹介受診した。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現症:
全身所見:顔貌は左右対称、体幹部四肢に皮疹なし。左側頸部リンパ節は若干腫脹しているものの、有意な腫脹ではなかった。
口腔内所見:口蓋垂を中心に、両側軟口蓋に軽度のびらんを伴う乳白斑を認めた(図❶)。
検査所見:軽度の肝機能異常と、CRP値の上昇を認めた。HCV抗体(–)、HBs抗原(–)、TP抗体(+)、HIV(–)であった(表1)。
初診:20××年4月
主訴:軟口蓋部の違和感
現病歴:20××年2月ごろから軟口蓋部の違和感を自覚し、ときどき含嗽時の出血を認めたため、かかりつけ歯科医院を受診した。口内炎とのことで、ステロイド軟膏と含嗽剤を処方され経過観察されていたものの、症状は改善せず、増悪傾向のため当科を紹介受診した。
既往歴・家族歴:特記事項なし
現症:
全身所見:顔貌は左右対称、体幹部四肢に皮疹なし。左側頸部リンパ節は若干腫脹しているものの、有意な腫脹ではなかった。
口腔内所見:口蓋垂を中心に、両側軟口蓋に軽度のびらんを伴う乳白斑を認めた(図❶)。
検査所見:軽度の肝機能異常と、CRP値の上昇を認めた。HCV抗体(–)、HBs抗原(–)、TP抗体(+)、HIV(–)であった(表1)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 口腔扁平苔癬
② 多形滲出性紅斑
③ 後天性免疫不全症候群(AIDS)
④ 梅毒(第2期)