Dd診断力てすと『口底の腫瘤』デンタルダイヤモンド 2017年10月号

谷池直樹 Naoki TANIIKE
神戸市立医療センター中央市民病院 歯科口腔外科
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-1-1

図❶ 初診時の口腔内写真

図❷ 同、造影CT写真

図❸ 同、造影MRI写真



患者:60歳、女性
主訴:舌の下の膨らみ
既往歴:甲状腺機能亢進症
現病歴:約1ヵ月前から、舌の下が膨らんでいることに気づいた。しばらく様子をみていたが、膨らみは消失しなかった。精査を希望され、自意にて当科を受診した。膨らみを自覚後、大きさに自覚的な変化はなかった。
現症
口腔外所見:顔貌対象、頸部リンパ節に腫大なし。その他、特記所見を認めず。
口腔内所見:右側口底に15×7mm大、表面粘膜の性状は平滑で、弾性硬の腫瘤を認めた(図❶)。疼痛の訴えはなかった。
画像所見:造影CT、造影MRIにて13~15mm程度の均質に造影される病変を認めた。下顎骨に近接しているが、下顎骨への浸潤像や有意な頸部リンパ節の腫大は認めなかった(図❷❸)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 舌下腺悪性腫瘍
舌下腺良性腫瘍
③ 舌下腺炎

口底顆粒細胞腫