Contents
刊行に寄せて
本書は、2016年に発刊した『歯内療法の三種の神器』の改訂版です。発刊からわずか6年足らずの間に、「歯科用コーンビームCT(CBCT)」、「歯科用マイクロスコープ」、「ニッケルチタン(Ni-Ti)製ロータリーファイル」という3つの神器は、それぞれ歯内療法の枠にとどまらず、一般臨床にまで深く浸透しています。この間、各神器がテーマとなった出版物が上梓されていることも、その証左といえるのではないでしょうか。
たとえば、CBCT 画像の読像は歯内療法にとどまらず、補綴・口腔外科・インプラント領域など、あらゆる専門分野で広く活用されるようになりました。また、歯科用マイクロスコープは歯内療法専門医の専売特許ではなく、多くの一般開業医、そして歯科衛生士の臨床応用にまで急速に広がり、Chapter 0 で北村和夫先生が述べているとおり、日本顕微鏡歯科学会の会員数が2022年8月現在で2,000名に達する目前まで迫っていることからも、その裾野の広がりを実感できます。そしてNi-Ti 製ロータリーファイルは、新世代の製品が続々と上市され、広く応用されています。
さて、本書と前作との大きな違いとして、三種の神器それぞれの製品が大幅に増えていること、そしてChapter 4「バイオマテリアル」が設けられたことが挙げられます。
バイオマテリアルを代表するMTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、いっそう臨床応用され、これを切り口にしたセミナーや出版物も珍しくないほど、広く一般に用いられています。何より、MTA セメント以外のバイオマテリアルが応用され、これだけで1つのカテゴリーを形成できるほど、この分野は進化を遂げています。
前作より大幅に内容が充実したにもかかわらず、本書の本体価格は据え置きました。その種を明かすと、MOOK 形式にしてメーカー各社から広告出稿のご協力を得たおかげです。ぜひ本書を、歯内療法をはじめとする臨床のバイブルの1つに加え、日常診療にお役立ていただければ幸いです。
2022年8月
デンタルダイヤモンド社書籍編集部
CONTENTS
https://www.dental-diamond.co.jp/item/1086
北村和夫(きたむら かずお)
1986年 日本歯科大学歯学部 卒業
1990年 日本歯科大学歯学部大学院歯学研究科歯科臨床系 修了
2015年 日本歯科大学附属病院総合診療科 教授
日本歯科保存学会 専門医、指導医、理事
日本歯科医学教育学会 評議員
日本歯内療法学会 専門医、指導医、代議員
関東歯内療法学会 理事
日本顕微鏡歯科学会 代表理事(会長)、指導医
米国歯内療法学会 準会員
ジャパンオーラルヘルス学会 認定、理事
日本外傷歯学会 会員 他
●主な著書
『デンタルダイヤモンド増刊号 臨床力アップにつながる 歯の破折の診断と処置 診断・治療』(デンタルダイヤモンド社,2014)・編著
『日本歯科評論別冊 最新・歯内療法の器具・器材と臨床活用テクニック』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2015)・編著
『日常臨床のレベルアップ&ヒント72』(デンタルダイヤモンド社,2015)・編著
『別冊ザ・クインテッセンス マイクロデンティストリー YEARBOOK 2015/2016』(クインテッセンス出版,2015)・編著
『抜髄 Initial Treatment ―治療に導くための歯髄への臨床アプローチ―』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2016)・共著
『歯内療法の三種の神器』(デンタルダイヤモンド社,2016)・編著
『別冊ザ・クインテッセンス YEARBOOK 2017 最新エンドのグローバルスタンダード』(クインテッセンス出版,2017)・共著
『別冊ザ・クインテッセンス マイクロデンティストリーYEARBOOK 2017』(クインテッセンス出版,2017)・編著
『日本歯科評論別冊 これが決め手! マイクロスコープの臨床』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2017)・共著
『動画で学ぶ臨床テクニック』(クインテッセンス出版,2017)・共著
『歯内療法のレベルアップ&ヒント』(デンタルダイヤモンド社,2017)・編著
『エンドドンティクス第5版』(永末書店,2018)・共著
『歯内療法レボリューション』(医歯薬出版,2018)・編著
『マストオブ・イニシャルトリートメント』(デンタルダイヤモンド社,2018)・編著
『マストオブ・リトリートメント』(デンタルダイヤモンド社,2018)・編著
『外傷歯のみかたと対応』(医歯薬出版,2018)・監修
『マストオブ・エンドドンティックサージェリー』(デンタルダイヤモンド社,2019)・編著
『別冊ザ・クインテッセンス マイクロデンティストリーYEARBOOK 2020』(クインテッセンス出版,2020)・編著
『別冊ザ・クインテッセンス 歯内療法のパラダイムシフト』(クインテッセンス出版,2020)・編著
『治癒に導くエンドの秘訣』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2020)・共著
『マストオブ・ディフィカルトケース』(デンタルダイヤモンド社,2020)・編著
『別冊ザ・クインテッセンス エンド・マテリアルセレクション』(クインテッセンス出版,2021)・共著
『マストオブ・マイクロエンドドンティクス』(デンタルダイヤモンド社,2021)・編著
『歯内療法のレベルアップ! 最新マテリアル・ツールを活用した臨床テクニック』(ヒョーロン・パブリッシャーズ,2021)・共著
『エンドドンティクス 第6版』(永末書店,2022)・共著
執筆者一覧
浅海利恵子、表 茂稔、宮島大地、河井泰輔、磯崎裕騎、小柳圭史、岡本基岐、山田國晶、八幡祥生、林 美加子、齋藤健介、田中利典、三橋 純、河合滝志、板東 信、長谷川達也、寺内吉継、小泉葉月、山内隆守、松崎英津子、辻本真規、辻本恭久、橋本健太郎、山本弥生子、外賀 泰、興地隆史、吉岡隆地、木ノ本善史、北村知昭、青井良太、田中浩祐、鷲尾絢子、西田太郎、月星太介、田渕康允、五十嵐 勝、濱田康弘、石井宏、丸野里絵、坂上 斉、岡口守雄、森竹宜之、吉岡俊彦、阿部 修、櫻井善明、長橋泰次、鷲野 崇、齋藤正寛、泉 英之、菅谷 勉、辺見浩一
本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行に寄せて」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行に寄せて」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、『歯内療法の三種三種の神器 2023>>2024』です。