ふつうの明視野顕微鏡とどう違うの?
通常の明視野顕微鏡では、無色透明な細菌や細胞を観察しようとしても、光をほとんど吸収しないため、像を結ぶことができません。また、透明な物質は光の散乱もほとんど起こさないため、背景の光と区別することができず、結果として「見えない」状態になってしまいます。

一方、位相差顕微鏡は、この問題を解決するために、光の「位相の違い」に注目しました。
具体的には、試料(細胞や細菌)を通過した光は、背景の光に比べてわずかに進む速度(位相)がずれるという性質を利用します。
この微小な位相差を、特別な光学部品(位相板)を使って明暗のコントラストに変換することで、透明な構造でもはっきりと像として観察できるようにしたのです(図5、6)2,5)。
つまり、位相差顕微鏡では、①光の通過による位相のずれと、②細胞構造による屈折率の違いを巧みに利用して、染色なしでも細胞や細菌の姿を鮮明に浮かび上がらせることができるのです(図7)。

【参考文献】
2) Zernike F: Phase contrast, a new method for the microscopic observation of transparent objects.
Physica, 9(7): 686-698, 1942.
5)高木 睦,他:セルプロセッシング工学(増補)─抗体医薬から再生医療まで─.コロナ社,東京,2009.
●位相差顕微鏡に関する基礎知識 はこちらから読めます。
●位相差顕微鏡とは何か:位相差顕微鏡ってどんなもの? はこちらから読めます。
●位相差顕微鏡とは何か:歯科でどう役立つの? はこちらから読めます。
●位相差顕微鏡とは何か:どうして染めなくても見えるの? はこちらから読めます。
●位相差顕微鏡とは何か:見えなかった世界が見える! はこちらから読めます。
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