はじめに:単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまで|本のエッセンス

はじめに:単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまで|本のエッセンス

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまでです。

ゼネラルデンタルカタログ

はじめに

 2022年より3年間にわたり『インプラント小技帖50』、『インプラント大技帖50』、『インプラント裏技帖50』と立て続けに通称「3技帖」を上梓し、おかげさまで好評をいただいております。
 それらの発刊準備中に、ふと「縫合に関する項目は、別にまとめて書籍にしよう」と思いつき、本書を手がけることとなりました。思えば出張手術や手術指導時に、歯科医師の先生方で縫合のキホン中のキホンが身についていないことがよく見受けられます。また、若手からベテランまでさまざまな講師が、セミナーで「マイクロスコープを用いたジオメトリックスーチャー」や「垂直懸垂縫合のコツ」など縫合のアドバンスな知識を披露するものの、「いやいやあなたは、その前段の“単純結節縫合”でさえ、まともにできていませんよ」と思わず言いたくなるシチュエーションもよく経験します。
 そこで、本書では縫合の基本である「単純結節縫合」にフォーカスを当て、一冊にまとめることとしました。しかし、ただ単純結節縫合について述べるだけでなく、そこには筆者が日常臨床で身につけた単純結節縫合を駆使したさまざまな「技」も解説しました。したがって、本書では水平マットレス縫合やジオメトリックスーチャーなど、外科上級者向けの縫合については触れていませんので、そこは他の素晴らしい書籍群をご覧いただければと思います。
 また、縫合に関して医科の分野を含めた国内で渉猟できるすべての書籍を入手し、できるだけ間違いのないように努めましたが、臨床は患者の健康増進に寄与すれば日々変わっていくこともあると考え、オリジナリティーも多く混じっていますので、そこはご了承賜ればと思います。
 文調は「3技帖」と同様に、読みやすいように「だ・である調」でありながら口語に近い表現としましたので、学術論文とは一線を画しています。外科初心者からベテランまでの先生方はもちろん、手術のアシストにつくコ・デンタルスタッフの皆様にとっても、明日からの臨床に本書が少しでもお役に立てれば幸甚です。
 それでは、めくるめく「縫合の世界」に旅立ちましょう。

2025年8月
柴原清隆

目次


単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまで

著者略歴

柴原清隆(しばはら きよたか)

2000年 長崎大学歯学部卒業
2000年 佐賀大学口腔外科研修医
2006年 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科修了
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 顎口腔再生外科学分野助教
2009年 医療法人立山勤務
2009年 花等歯科医院副院長
2014年 柴原歯科医院太宰府インプラント研究所院長
2024年 長崎大学口腔インプラント学分野臨床教授
現在に至る

おもな所属学会
日本顕微鏡歯科学会 事務局長・常任理事・認定指導医・代議員
日本口腔外科学会
日本口腔インプラント学会
日本顎顔面インプラント学会
日本口腔診断学会
ヨーロッパインプラント学会(EAO)
アメリカインプラント学会(AO)
アメリカ顕微鏡歯科学会(AMED)
iBicon Network 九州沖縄支部長


単純結節縫合をマスターする スーチャリングの基本から応用テクニックまで