Dd診断力てすと『過剰埋伏歯による永久歯萌出遅延』デンタルダイヤモンド 2018年6月号

吉村仁志 Hitoshi YOSHIMURA
佐野和生 Kazuo SANO
福井大学学術研究院 医学系部門医学領域
感覚運動医学講座 歯科口腔外科学分野


図❶ パノラマX線写真

図❷ CT像(矢頭:3本の上顎正中過剰埋伏歯)


患者:10歳、男児
初診:2006年8月
主訴2112萌出遅延および上顎過剰埋伏歯の精査
現病歴:2006年7月に、上顎永久歯の萌出遅延を主訴に矯正歯科医院を受診した。2112の埋伏および上顎過剰埋伏歯を指摘され、精査および加療目的に当科紹介となった。
既往歴:幼少時に遺伝性疾患を指摘(とくに治療なし)。
家族歴:特記事項なし
現症
全身所見: 身長121.1㎝(-3.1SD)、体重24.8㎏(-1.4SD)と低身長を認めた。両肩は軽度下垂し、頭部に比較して顔面は小さく、側貌では前額が突出していた。中顔面の発育はやや不良で、軽度の下顎前突様の顔貌を呈していた。知的障害は認めなかった。
胸部X線検査にて胸郭は釣鐘状を呈し、脊柱側彎が認められた。頭部X線検査にて頭蓋骨縫合部の骨化不全が認められた。
口腔内所見左下6が萌出しており、乳歯の晩期残存を認めた。
パノラマX線検査にて乳歯晩期残存(左下6)、永久歯萌出遅延(2112)(図❶)と、CT検査にて上顎正中部に過剰埋伏歯3本を認めた(図❷)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 大理石骨病
骨形成不全症
③ 鎖骨頭蓋異形成症

低フォスファターゼ症