慢性の歯周炎 | ![]() |
手足の掌蹠膿疱症 |
◆◆◆ | ナースが病気をみつけるとき | ◆◆◆ |
図1、2の症例は、52歳のナースで、1年前に右下顎にブリッジを装着したのが誘因ではないかとの本人の言。教室の太田講師が、「本人がそう言うなら、ブリッジをはずしてみましょう」ということで、金光研究生に頼んで撤去してもらった。それから2週間、「治った、治った、手のひらがきれいになりました。私の予想はぴったり当たりました」と喜んでいる。
不適な金属冠や歯周炎が誘因となることはよく知られている。もっとも、すべての掌蹠膿疱症が、歯が原因というわけではない。この疾患は皮膚科医にとっても、ごく普通の疾患ではなく難治であり、やっかいな疾患だということである。この疾患で東海大学病院の皮膚科を受診された患者さんは、「誘因となるような歯の炎症はありませんか」と口腔外科へ、「誘因となるような扁桃腺炎はありませんか」と耳鼻咽喉科へ依頼が出される。実際のところ、歯周炎や根尖の慢性炎症が存在している症例で、抜歯をしても掌蹠膿疱症が治るのは数例に1例、総症例の10人に1人くらいであるが、改善する症例だと患者さんに大変喜ばれる。
「歯科医師が病気をみつけるとき」のシリーズを1年間続けてきたが、本号では、「ナースが病気をみつけるとき」という内容になった。
![]() 図1 |
![]() 図2 |
図1、2掌蹠膿疱症は小さな水疱が集合したもので、膿疱とはいうものの無菌のことが多い。 古くなると点状痂皮(かさぶた)を作る |
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図3患者さんであるナースは、1年前に右下顎にブリッジを装着してから手足に水疱が出現したと主張する。「とにかく、はずしてみてください」ということで撤去したら、手掌の水疱だけは消失した(正確な因果関係は、もちろんわかっていない) |
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