投与されている薬剤 | 疾患の現状を知る |
◆◆◆ | 薬剤を記号や番号 | ◆◆◆ |
YDP | 1 |
13A | 2 |
P317 | 3 |
CG 214 | 4 |
011 | 5 |
SANKYO 125 | 6 |
451 | 7 |
であることを隠したかったとのことである。「局所麻酔薬を使ったり、痛み止めを投与するのに患者さんの状況が知りたいのです。精神病院で治療を受けているのは、治療を受けないで放ってあるよりずっとよいことです」という説明に、患者さんはようやく笑顔をみせた。「うつ病です」という。
歯科医院からの診療情報提供書の要旨には、「72歳の女性。下顎の総義歯を作製したいので、舌側の骨隆起を削ってください」と記載されている。2000年1月13日に東海大学病院を受診した。
7種の薬剤は、精神安定剤3剤をはじめ、催眠薬から抗てんかん剤まであった。なかでもハロペリドールは適応疾患が精神分裂病と躁病であり、エピネフリンは併用禁忌と添付文書に記されている。
薬剤を記号や番号から識別する方法は、本誌にも機会のあるたびに記載しているが、『日本医薬品集』(じほう社)を見ていただくのが最適であろう。パソコンの好きな先生方用に、CD-ROMも発売されている。
この患者さんの場合には、精神神経疾患はあるが、舌側の骨隆起の手術には何の支障もないことを説明し納得をいただいた。初診から約2週間後の1月26日のデイサージェリー(外来用の手術室で寝巻きに着替えてもらう)で、ジアゼパム静注の鎮静法を併用した。局所麻酔薬には、シタネスト−オクタプレシンを用いたことはいうまでもない。
高齢者の在宅診療を行う歯科医師が増えてきたことは大変すばらしい。在宅高齢者でもスルピリドやハロペリドールが投与されている例は多い。スルピリドもハロペリドールも遅発性ジスキネジアが現われることがある。口周部の不随意運動がある場合、薬剤によるものと断定はできないまでも、歯科医師の知っておきたい常識である。
エチゾラム etizolam (チエノジアゼピン系精神安定剤) アロファルム エチカーム エチセダン エチゾラム エチゾラン エチドラール カプセーフ グペリース サイラゼパム セデコパン デゾラム デパス(図1 の1) デムナット ノンネルブ バランチン パルギン メディピース モーズン |
ブロチゾラム brotizolam (チエノトリアゾロジアゼピン系睡眠導入剤) アムネゾン グッドミン シンベラミン ゼストロミン ソレントミン ネストローム ノクスタール ブロゾーム ブロチゾラン ユリモラン レドルパー レンデム レンドルミン(図1 の2) ロンフルマン |
ハロペリドール haloperidol (ブチロフェノン系精神安定剤) エセックチン ケセラン コスミナール スイロリン セポンスク セレネース(図1 の3) ハロジャスト ハロステン ハロペリドール ハロミドール ブロトポン ペルセス ヘルパロール ヨウペリドール リントン レモナミン |
スルピリド sulpiride (ベンザミド系抗潰瘍・精神安定剤) アビリット オンペラン クールスパン ケイチール シーグル シバピリド スカノーゼン スタマクリット スプロチン スペサニール スルピリド セルネビン ドグマチール(図1 の7) トーピリド ニチマール ピリカップ ベタマック マーゲノール ミラドール ヨウマチール リタモチール> |
ニトラゼパム nitrazepam (ベンゾジアゼピン系催眠剤) チスボン ニトラゼパム ネムナミン ネルボン ネルロレン ノイクロニック ノイマックス ヒルスカミン ベンザリン(図1 の5) |
カルバマゼピン carbamazepine (向精神作用性抗てんかん剤) テグレトール(図1 の4) テレスミン レキシン |
クロキサゾラム cloxazolam (マイナートランキライザー) セパゾン(図1 の6) |