第38回日本口腔診断学会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年10月号掲載】

第38回日本口腔診断学会開催される【月刊デンタルダイヤモンド 2025年10月号掲載】

 第38回日本口腔診断学会(飯久保正弘大会長・東北大院)が、第35回日本口腔内科学会(杉浦剛大会長・東北大院)との共催で、9月5日(金)~7日(日)にかけて仙台国際センター(宮城県仙台市)において開催された。「精密診断と病態解析で拓く口腔医療の未来-Precision Diagno Analysis in Oral medicine-」を大会テーマとし、各種講演が行われた。
 特別講演1「メタゲノム解析が拓く未来型医療─お口の中には健康のヒントがいっぱい─」では清水律子氏(東北大学未来型医療創成センター)が登壇し、メタゲノム解析方法の基本や、細菌叢を標的とした治療ストラテジーにおいて検討されている内容(特定の機能をもつ細菌を選別して移植など)などについて解説した。
 シンポジウム「日々の診療に臨床推論を根付かせる~これからの歯科医師にどう教育するか~」では弊社刊『“痛み”の臨床推論 診断過程を可視化するための教科書』の監修者である和嶋浩一氏(東京都開業)と里村一人氏(鶴大歯)が座長を務め、4題の講演が行われた。臨床推論とは「当該患者の疾病をあきらかにして解決しようとする際の思考過程や内容」とされ、歯学教育モデルコアカリキュラムにも記載があるものであり、教育環境の整備が進められている。現状において課題はあるものの、臨床推論教育は歯科医師養成の質を高める鍵であり、領域間・大学間、学会との連携を進める必要があるとの意見が交わされた。

デンタルダイヤモンド 2025年10月号