山本俊郎 Toshiro YAMAMOTO
金村成智 Narisato KANAMURA
京都府立医科大学大学院 医学研究科
歯科口腔科学

図❶ 皮膚科受診時の顔貌写真

図❷ 歯科受診時の顔貌写真

図❸ CT画像。6頬側皮質骨に骨吸収像がみられる
患者:21歳、女性
初診:2009年8月
主訴:左側顎下部の膿瘍
現病歴:1年前から左側頬部に黒色の陥凹を認め、圧痛を自覚するも放置。1ヵ月前から同部より排膿を自覚したため、近医皮膚科クリニックを受診後、本学皮膚科に紹介受診(図❶)。その後、症状の増悪を認めたため(図❷)、精査・加療目的に当科へ照会受診となった。
既往歴:特記事項なし
家族歴:特記事項なし
現症:
全身所見:左側顎下部の皮膚に20×10mm程度の膿瘍。膿瘍中央部は組織欠損がみられ、周囲に隆起や硬結はみられないが、排膿を認める。体温37.1℃、左側顎下リンパ節に軽度の圧痛を有するが、血液検査所見では特記事項はなかった。
口腔内所見:6歯冠部分に垂直性の破折線を認めるが、動揺はみられない。また、歯肉に炎症所見はみられない。
画像所見:パノラマX線画像では、6の根尖部分に大きさ約17×9mmのX線透過像を認める。CT画像では、6の根尖部分に頬側および舌側皮質骨に一部骨欠損を有し、大きさ約13×11×11mmの境界明瞭な透過像を認める(図❸)。
初診:2009年8月
主訴:左側顎下部の膿瘍
現病歴:1年前から左側頬部に黒色の陥凹を認め、圧痛を自覚するも放置。1ヵ月前から同部より排膿を自覚したため、近医皮膚科クリニックを受診後、本学皮膚科に紹介受診(図❶)。その後、症状の増悪を認めたため(図❷)、精査・加療目的に当科へ照会受診となった。
既往歴:特記事項なし
家族歴:特記事項なし
現症:
全身所見:左側顎下部の皮膚に20×10mm程度の膿瘍。膿瘍中央部は組織欠損がみられ、周囲に隆起や硬結はみられないが、排膿を認める。体温37.1℃、左側顎下リンパ節に軽度の圧痛を有するが、血液検査所見では特記事項はなかった。
口腔内所見:6歯冠部分に垂直性の破折線を認めるが、動揺はみられない。また、歯肉に炎症所見はみられない。
画像所見:パノラマX線画像では、6の根尖部分に大きさ約17×9mmのX線透過像を認める。CT画像では、6の根尖部分に頬側および舌側皮質骨に一部骨欠損を有し、大きさ約13×11×11mmの境界明瞭な透過像を認める(図❸)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 放線菌症
② 外歯瘻
③ 表皮嚢腫
④ 脂肪腫