刊行にあたって:超入門 JET System矯正 Ⅰ級叢生4444抜歯編|本のエッセンス

刊行にあたって:超入門 JET System矯正 Ⅰ級叢生4444抜歯編|本のエッセンス

本のエッセンスは、書籍の「はじめに」や「刊行にあたって」に詰まっています。
この連載では、編集委員や著者が伝えたいことを端的にお届けするべく、おすすめ本の「はじめに」や「刊行にあたって」、「もくじ」をご紹介します。
今回は、超入門 JET System矯正 Ⅰ級叢生抜歯編です。

ゼネラルデンタルカタログ

刊行にあたって

 私が大学生のとき、初めて矯正治療を受けました。そのときの痛みは想像以上で、調整した日は夜も眠れず、地元の居酒屋で酎ハイを4杯飲んで、ようやく眠ることができたほどでした。そんな経験があったからこそ、「患者さんにはできるだけ痛みを少なく、快適に矯正治療を受けてもらいたい」という思いを強くもつようになりました。
 その思いを形にしたのがJET System 矯正です。
 このシステムの大きな特徴は、ブラケットとワイヤーの摩擦を極力小さくすることにあります。矯正治療では、ブラケットにワイヤーを通して歯を動かしますが、摩擦が大きいと強い力をかけなければなりません。その分、患者さんの痛みも強くなります。摩擦を減らせば、必要な力を小さくできるため、痛みをやわらげることができるのです。
 また、JET System では「歯が最も動きやすい時期(RAP=Regional Acceleratory Phenomenon)」を利用して効率的に歯を動かします。RAP とは、抜歯後などに骨の代謝が一時的に活発になり、歯の移動がスムーズになる現象のことです。この時期を逃さず治療を進めることで、従来よりも大幅に治療期間を短縮できます。症例によっては、一般的な矯正治療の半分ほどの期間で理想的な歯並びを実現できるのです。
 実際にJET System 治療を受けた患者さんからは「思っていたよりずっと楽だった」「毎月の変化が楽しみ」という声が多く寄せられています。さらに、このシステムを導入した先生方からも「次の患者さんの来院が待ち遠しい」「歯が驚くほどよく動く」という感想をいただいています。
 JET System 矯正は、「つらい矯正治療」を「楽しみながら変化を感じられる治療」へと変えることを目指しています。歯並びを整えるだけでなく、自信をもって笑える未来をつくるシステムなのです。
 本書は、矯正治療に携わる歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の方々、そしてこれから矯正を学ぶ歯学生の皆さんに向けた入門書です。JET System 矯正を理解し、日々の臨床や学びのなかで役立てていただければ幸いです。

2025年8月
東京都・自由が丘矯正歯科クリニック
成田信一

CONTENTS


超入門 JET System矯正 Ⅰ級叢生4444抜歯編

著者略歴

成田信一(なりた しんいち)

1965年 神奈川県藤沢市生まれ
1984年 神奈川県立湘南高等学校卒業
1991年 東京医科歯科大学歯学部卒業
    同大学歯科矯正学第一講座入局
1998年 同大学大学院歯科矯正学専攻修了
    日本矯正歯科学会認定医
1999年 同大学歯科矯正学第一講座退局
1999年 自由が丘矯正歯科クリニック開設
2002年 法人化、医療法人社団スマイルデザイン設立
2008年 JET systemの臨床研究を開始
2021年 日本矯正歯科学会臨床指導医
現在  医療法人社団スマイルデザイン理事長
    自由が丘矯正歯科クリニック院長

所属学会
日本矯正歯科学会臨床指導医、アメリカ矯正歯科学会国際会員
World Federation of Orthodontist Fellow
日本顎変形症学会正会員、東京矯正歯科学会正会員
日本口蓋裂学会正会員
一般社団法人JET System矯正歯科研究会 代表理事


超入門 JET System矯正 Ⅰ級叢生4444抜歯編