雨河茂樹 Shigeki AMEKAWA
市立池田病院 歯科口腔外科 〒563-8510 大阪府池田市城南3-1-18

図❶ 初診時の口腔内写真(口蓋)

図❷ 同、口腔内写真(下顎歯肉)
患者:78歳、女性
初診:20XX年9月
主訴:口腔咽頭部の疼痛
既往歴:クローン病(69歳)寛解状態で維持療法中、血管攣縮性狭心症(77歳)、鉄欠乏性貧血(78歳)。
家族歴:兄が心筋梗塞、脳梗塞
アレルギー歴:特記事項なし
現病歴:初診5日前から39℃の弛張熱があり、口腔および咽頭痛が著明で摂食困難となったため、近医内科を受診した。同院にて抗菌薬の処方を受けるも改善がないため、精査加療を目的に当科を紹介受診した。
現症:
全身所見:身長152cm、体重47㎏で栄養状態は良好。体温は36.8℃であったが、倦怠感が著明であった。腹痛、下痢、外陰部症状、眼症状、皮膚症状などは認めなかった。
口腔外所見:顔貌は左右対称で顔色はやや青白色、眼瞼結膜は軽度貧血を呈しており、眼球結膜に黄疸を認めなかった。頸部リンパ節の腫脹は認めなかった。
口腔内所見:軟口蓋、両側頬粘膜、下顎歯肉に径0.5~2mm大のアフタ性潰瘍および小疱疹を散在性に多数認めた。周囲粘膜は発赤し、自発痛、接触痛があった(図❶❷)。
血液検査所見:白血球数 79.4×102/μL、赤血球数 255×104/μL、Hb 8.1g/dL、MCV 96.5fL、MCH 31.8Pg、MCHC 32.9%、Alb 3.0g/dL、CRP 3.2mg/dL、HSV(CF)32倍、VZV(CF) 4倍であり、正球性貧血、低栄養、CRP高値、HSV抗体高値であった。
初診:20XX年9月
主訴:口腔咽頭部の疼痛
既往歴:クローン病(69歳)寛解状態で維持療法中、血管攣縮性狭心症(77歳)、鉄欠乏性貧血(78歳)。
家族歴:兄が心筋梗塞、脳梗塞
アレルギー歴:特記事項なし
現病歴:初診5日前から39℃の弛張熱があり、口腔および咽頭痛が著明で摂食困難となったため、近医内科を受診した。同院にて抗菌薬の処方を受けるも改善がないため、精査加療を目的に当科を紹介受診した。
現症:
全身所見:身長152cm、体重47㎏で栄養状態は良好。体温は36.8℃であったが、倦怠感が著明であった。腹痛、下痢、外陰部症状、眼症状、皮膚症状などは認めなかった。
口腔外所見:顔貌は左右対称で顔色はやや青白色、眼瞼結膜は軽度貧血を呈しており、眼球結膜に黄疸を認めなかった。頸部リンパ節の腫脹は認めなかった。
口腔内所見:軟口蓋、両側頬粘膜、下顎歯肉に径0.5~2mm大のアフタ性潰瘍および小疱疹を散在性に多数認めた。周囲粘膜は発赤し、自発痛、接触痛があった(図❶❷)。
血液検査所見:白血球数 79.4×102/μL、赤血球数 255×104/μL、Hb 8.1g/dL、MCV 96.5fL、MCH 31.8Pg、MCHC 32.9%、Alb 3.0g/dL、CRP 3.2mg/dL、HSV(CF)32倍、VZV(CF) 4倍であり、正球性貧血、低栄養、CRP高値、HSV抗体高値であった。
Q 最も疑われる疾患名は?
① ベーチェット病
② Plummer-Vinson症候群
③ クローン病
④ ヘルペス性口内炎