冨原 圭 Ken OMURA
富山大学大学院医学薬学研究部 歯科口腔外科学講座
〒930-0194 富山県富山市杉谷2630

図❶ 軟口蓋から咽頭周囲にかけて、紅斑を伴う口内炎を認める
患者:15歳、女性
主訴:再発を繰り返す口内炎と疼痛
既往歴:喘息(2~11歳ごろまで通院治療)
アレルギー:卵、蕎麦、イクラ、キウイフルーツ
現症:1年ほど前より、頬粘膜、舌、軟口蓋、口唇などの口腔粘膜のさまざまな部位に多発する、アフタ様の口内炎を繰り返すようになった。口内炎に加え、ときどき発熱することもあったため、内科や耳鼻咽喉科を受診するも原因がはっきりせず、症状は自然に軽快していた。
201X年12月に、軟口蓋を含む口腔内の広範囲に複数の口内炎が出現したため、近在歯科医院を受診したところ、口腔外科での精査加療を勧められ、当科を受診した。
現症:
全身所見:体温36.6℃、栄養状態は良好で全身倦怠感もなく、全身の皮膚にあきらかな異常所見は認めなかった。
口腔外所見:顔色良好で顔貌は左右対称、眼瞼結膜の貧血や眼球結膜に黄疸を認めなかった。
口腔内所見:軟口蓋から咽頭周囲にかけて、紅斑を伴う口内炎が多発していた(図❶)。う蝕や歯周炎、歯科用金属など、その他に特記すべき所見は認めなかった。
血液検査所見:白血球数は7,060/μLと正常範囲内であったが、CRP2.47と高値を認めた。また、Fe9μg/dL、フェリチン10ng/mL、ヘモグロビン9.4g/dLと鉄欠乏性貧血を認めた。その他、各種ウイルス抗体価、抗核抗体に高値を認めず、肝機能、腎機能の異常を示唆する所見や電解質の異常も認めなかった。
主訴:再発を繰り返す口内炎と疼痛
既往歴:喘息(2~11歳ごろまで通院治療)
アレルギー:卵、蕎麦、イクラ、キウイフルーツ
現症:1年ほど前より、頬粘膜、舌、軟口蓋、口唇などの口腔粘膜のさまざまな部位に多発する、アフタ様の口内炎を繰り返すようになった。口内炎に加え、ときどき発熱することもあったため、内科や耳鼻咽喉科を受診するも原因がはっきりせず、症状は自然に軽快していた。
201X年12月に、軟口蓋を含む口腔内の広範囲に複数の口内炎が出現したため、近在歯科医院を受診したところ、口腔外科での精査加療を勧められ、当科を受診した。
現症:
全身所見:体温36.6℃、栄養状態は良好で全身倦怠感もなく、全身の皮膚にあきらかな異常所見は認めなかった。
口腔外所見:顔色良好で顔貌は左右対称、眼瞼結膜の貧血や眼球結膜に黄疸を認めなかった。
口腔内所見:軟口蓋から咽頭周囲にかけて、紅斑を伴う口内炎が多発していた(図❶)。う蝕や歯周炎、歯科用金属など、その他に特記すべき所見は認めなかった。
血液検査所見:白血球数は7,060/μLと正常範囲内であったが、CRP2.47と高値を認めた。また、Fe9μg/dL、フェリチン10ng/mL、ヘモグロビン9.4g/dLと鉄欠乏性貧血を認めた。その他、各種ウイルス抗体価、抗核抗体に高値を認めず、肝機能、腎機能の異常を示唆する所見や電解質の異常も認めなかった。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 慢性再発性アフタ
② ヘルペス性口内炎
③ ベーチェット病
④ クローン病