Dd診断力てすと『PMTC中に生じた右眼周囲から頸部にかけての痛み』デンタルダイヤモンド 2024年8月号

Dd診断力てすと『PMTC中に生じた右眼周囲から頸部にかけての痛み』デンタルダイヤモンド 2024年2月号

新田哲也 Tetsuya NITTA
鹿児島市立病院 歯科口腔外科
〒890-8760 鹿児島県鹿児島市上荒田町37-1

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2024年8月号より、「
PMTC中に生じた右眼周囲から頸部にかけての痛み」についてです。


ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 顔貌写真。開眼不能
図❶ 顔貌写真。開眼不能
図❷ 口腔内写真。矢印:右上頰側歯肉に埋入されたアンカースクリュー
図❷ 口腔内写真。
矢印:右上頰側歯肉に埋入されたアンカースクリュー

図❸ CT 像。a:顔面の冠状断、b:胸部の水平断
図❸ CT 像。a:顔面の冠状断、b:胸部の水平断

患者:24歳、女性
主訴:右眼周囲から頸部にかけての痛み
現病歴:矯正治療患者のPMTC実施指示を受けた歯科衛生士が、覆布をかけてエアフローで上顎右側小臼歯の歯面や矯正装置周辺をクリーニングしていた。患者が右眼周囲から頸部にかけての痛みと右胸部違和感の訴えたため、ただちに処置を中断し覆布を除去した。右眼は開眼不能で右顔面~頸部の腫脹を認めたため、精査加療目的で当科へ紹介された。
既往歴:特記事項なし
現症
全身所見;意識清明で、呼吸苦や咽頭痛などはなく、体温は36.6℃であった。
口腔外所見;顔面左右非対称で右開眼不能、右側頭部から両側頸部、前胸部まで握雪感を伴った捻髪音を触知できた(図1)。
口腔内所見:上顎両側小臼歯間の歯肉頰移行部付近には、アンカースクリューが1本ずつ埋入され、矯正装置とゴムで連結されていた。上顎右側アンカースクリューの固定は良好で、周囲の歯槽粘膜は腫脹していた(図2)が、4㎜を超える歯周ポケットはなかった。
血液検査所見:白血球数は7,000/μL(3,000~9,000)、好中球65%(37~72%)、CRP0.08㎎/dL(0~0.3)であった(括弧内は基準値)。
CT検査所見:右側頭部や右眼窩、右頰部、両側頸部、縦隔に含気腔と思われる低濃度域を認めた(図3)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 蜂窩織炎
ガス壊疽
③ 皮下気腫

縦隔気腫

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2024年8月号に掲載中!/

デンタルダイヤモンド 2024年8月号 表紙

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