Dd診断力てすと『頰部の腫脹』デンタルダイヤモンド 2024年5月号

Dd診断力てすと『頰部の腫脹』デンタルダイヤモンド 2024年5月号

大澤孝行 Takayuki OHSAWA
横浜市立市民病院 歯科口腔外科
〒221-0855 神奈川県横浜市神奈川区三ツ沢西町1-1

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2024年5月号より、「頰部の腫脹」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ


図❶ 顔貌写真
図❶ 顔貌写真
図❷ CT 画像およびMRI 画像(a:造影CT 画像[冠状断]、b:MRI T1 画像、c:MRI T2 画像、d:MRI 拡散強調画像)
図❷ CT 画像およびMRI 画像(a:造影CT 画像[冠状断]、b:MRI T1 画像、c:MRI T2 画像、d:MRI 拡散強調画像)
患者:78歳、男性
主訴:左側頰部の無痛性腫脹
現病歴:数ヵ月前から左側頰部の違和感は自覚していた。1週間ほど前から義歯の不調を機に左側頰部の腫瘤を自覚し、近歯科医院を受診。精査目的に、当科を紹介初診した。
既往歴:心筋梗塞、下肢静脈瘤、アレルギー性鼻炎
家族歴:母(腎臓がん)
生活歴:飲酒ビール350mL /日、喫煙20本/日(22~55歳)
職業:マッサージ師
アレルギー歴:食物なし、薬剤なし
現症:左側頰部に境界やや明瞭、自発痛および圧痛なし、可動性ありの20㎜大の腫瘤を触知。頰粘膜および皮膚は正常であった(図1)。
血液検査所見:炎症マーカーは基準値内、血算項目は基準値内、LDH 220U/L、sIL2R 901U/mL、凝固能の延長はなし
画像所見(図2)
CT;左側咬筋前面に接する15×25㎜大の腫瘤があり、あきらかな咬筋浸潤は認めない。造影剤による増強効果はある。
MRI;咬筋前面に30㎜大の腫瘤あり、T1強調像では中等度信号、T2強調像では淡い高信号、拡散強調像では高信号。浸潤傾向は指摘できない。 両画像とも、左側上顎洞内に囊胞性病変が確認される。


Q 最も疑われる疾患名は?

① 頰部膿瘍
② 頰部がん(唾液腺がんを含む)
③ 悪性リンパ腫

④ 唾液腺良性腫瘍

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2024年5月号に掲載中!/

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