日本老年歯科医学会第33回学術大会が6月10日㈮~12日㈰の3日間、新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ(新潟県新潟市)とWeb配信のハイブリッド形式で開催された(大会長:小野高裕氏・新潟大院)。本大会は「噛んで味わって語り合おう 老年歯科in新潟」をテーマに、多彩なプログラムが組まれた。
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シンポジウム1「口腔機能低下症に関するワークショップの成果報告」
シンポジウム1「口腔機能低下症に関するワークショップの成果報告」では、本学会理事長の水口俊介氏(東医歯大院)らが座長を務め、昨年末に行われたワークショップについて報告。本年4月の診療報酬改定において、算定要件が大幅に引き下げられるなどによって注目を集めている口腔機能低下症について、関心の高さがうかがわれた。
シンポジウム6「認知症の人の歯科治療:地域特性に合った連携とは」
シンポジウム6「認知症の人の歯科治療:地域特性に合った連携とは」では、3名のシンポジストが登壇。山口 潔氏(医療法人社団創福会 ふくろうクリニック等々力:写真左)は、医科の立場から認知症診療のトレンドを解説し、今後は医科歯科連携がより重要になると述べた。澤田弘一氏(鏡野町国民健康保険上齋原歯科診療所)は、社会資源が多くない地域ならではの連携を紹介。つねに住民に教え、育ててもらう姿勢が大切であるとした。細野 純氏(東京都開業:写真右)は、医療分野の連携だけではなく、地域の介護福祉分野の資源の把握と連携が重要と述べた。さらに、診療所から地域に出て、介護関連職の仕事を理解することが、かかりつけ歯科医としての役割であると強調した。
シンポジウム13「歯科衛生士のリサーチマインド〜高齢者への根拠ある口腔健康管理の実践を目指して〜」
シンポジウム13「歯科衛生士のリサーチマインド〜高齢者への根拠ある口腔健康管理の実践を目指して〜」(写真)では、4名のシンポジストが登壇。小原由紀氏(東京都健康長寿医療センター研究所)は、完璧なエビデンスは存在せず、どんな研究にも限界点があること、また最も大切なのはいま目の前にいる対象者(患者)であり、エビデンスは対象者によりよいケアを提供するための手段の一つにすぎないと述べました。