第41回日本接着歯学会学術大会(大会長:二階堂 徹氏・朝日大歯;写真)・国際接着歯学会(大会長:佐野英彦氏;北大院歯)が、6月3日㈮〜5日㈰、「接着歯学2022 革新と挑戦」をテーマに北海道大学 学術交流会館(北海道札幌市)とWebのハイブリッド形式で開催された(参加登録者数:約320名)。
特別講演1では高橋英登氏(日本歯科医師連盟会長/東京都開業)が「接着臨床40年の軌跡」と題して登壇。樹脂含浸象牙質の発見から幕を開けた日本の「接着」の歴史について、自身の接着にかかわる臨床を振り返りながら、接着の考え方や接着関連製品の歴史を示した。そして、今後のセラミック系素材を主としたメタルフリー時代の歯冠修復においても、接着が非常に大切なことを強調した。
特別講演2では住友雅人氏(日本歯科医学会 会長)「イノベーションのための積み木で期待される活動」と題して、日本歯科医学会のこれまでの歩みを述べた。そのうえで、接着歯科治療専門医の活躍などへの期待を語った。
教育講演では菅谷 勉氏(北大院歯)が「接着による根管充填と垂直歯根破折治療の利点と課題」と題して登壇。昨今、人々の残存歯数の増加に伴い、歯根破折が原因となる永久歯の抜歯が少なくない現状を示し、垂直歯根破折について、治療の基本、長期経過例の悪化原因、破折メカニズムを解説した。そして、破折抵抗性を向上させる接着のポイントや根尖孔が開大した根管閉鎖のポイントをまとめた。