Dd診断力てすと『続発する点状出血・血腫』デンタルダイヤモンド 2019年8月号

目瀬 浩
Hiroshi MESE
福山市民病院 歯科口腔外科
〒721-8511 広島県福山市蔵王町5-23-1


図❶ 左側上顎歯肉からの出血を認める

図❷ 左側下口唇粘膜に血腫を認める

図❸ 左側頬粘膜に点状出血ならびに血腫を認める

表1 検査データ

WBC44×100/μLD-dimer1.8 μg/mLAlb3.6 g/dLHCV抗体(-)
RBC303×1万/μLPA-IgG345 ng/107BUN21.5 mg/dL抗ヘリコバクター
ピロリ
(-)
Hb10.7g/dLAST24 IU/LCre2.9 mg/dL骨髄:有核細胞数20×104/μL
Ht30.10%ALT31 IU/LNa141 mEq/L骨髄:巨核球数150/μL
PLT0.1×1万/μLLDH242 IU/LK3.6 mEq/L
PT-s82%γ-GTP41 IU/LCl107 mEq/L
PT-sINR1.09TP6.3 g/dLCRP0.53 mg/dL

患者:75歳、男性
初診:20××年8月
主訴:口腔内出血
現病歴:20××年7月ごろから口腔内からの出血を自覚し、かかりつけ歯科医院を受診。歯周炎とのことで歯周基本治療を行ったものの、症状が改善しないため、当科を紹介受診した。当科受診10日ほど前から食欲不振、全身倦怠感が増強していた。
既往歴:特記事項なし
家族歴:特記事項なし
現症
全身所見:顔貌は左右対称、体幹部四肢に点状出血、紫斑を認めた。
口腔内所見:初診時、口唇粘膜、頬粘膜、歯肉に点状出血ならびに血腫を認めた(図❶~❸)。
検査初見:血液検査では、血小板数は1,000/μLと著明な減少を認めた。白血球数は正常で、やや貧血を認めるものの、凝固能は正常で、D-dimerの上昇もなかった。骨髄検査にて骨髄巨核球数は正常であった(表1)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 再生不良性貧血
骨髄異形成症候群
③ 白血病

特発性血小板減少性紫斑病