Dd診断力てすと『口腔関連疾患』デンタルダイヤモンド 2017年6月号

矢島哲弥 Tetsuya YAJIMA
柏厚生総合病院 歯科・口腔外科
〒277-0862 千葉県柏市篠籠田617番地


図❶ パノラマX線写真

図❷ TMJパノラマ断層写真

図❸ オルビトラムス写真


患者:68歳、女性
初診:2017年2月
主訴:左側下顎部の疼痛
現病歴:2017年1月ごろから左側下顎部に5~6分程度の疼痛を自覚し、近在歯科医院を受診するも改善しなかった。
同年2月ごろから疼痛時間が10分程度と長くなり、某院耳鼻咽喉科を受診。通院中の耳鼻咽喉科より紹介され、当科を受診した。
既往歴:高血圧にて、5年前よりアムロジピンを内服。骨粗鬆症にて2年前よりエルデカルシトールを内服。
家族歴:特記事項なし
現症
全身所見:軽度の背部痛を認めるも、熱感・倦怠感は認めなかった。
口腔外所見:無痛開口域は40mm、ブラキシズムや片咀嚼癖、ならびにクリッキングやクレピタスは認めなかった。顔面に発赤や腫脹は認めなかった。左側顎下腺の腫脹や圧痛は認めなかった。
口腔内所見:歯周ポケットは、一部に6mmの部分があるものの、おおむね3mm程度であり、歯周ポケットからの出血や排膿は認めなかった。あきらかな歯の打診痛や動揺は認められなかった。排唾は良好であった。
初診時血液検査所見:CRP 0.2(mg/dL)、WBC 8,200(μL)
画像所見67にインレー処置が施行されているものの、根尖に透過像は認めなかった(図❶~❸)。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 顎関節症
唾石症
③ 狭心症

下顎顎炎