Dd診断力てすと『口腔粘膜の潰瘍形成』デンタルダイヤモンド 2022年04月号

野町晃彦 Akihiko NOMACHI
内藤克美 Katsumi NAITO
浜松医療センター 口腔顎顔面センター 〒432-8580 静岡県浜松市中区富塚町328


図❶ 下顎左側小臼歯部、歯肉頬移行部粘膜

図❷ 上顎左側大臼歯部の口蓋側粘膜


患者:78歳、女性
主訴:口腔内の潰瘍形成および疼痛
既往歴:慢性関節リウマチ(62歳)、右前腕の腱断裂(68歳)、腰椎圧迫骨折(72歳)
内服:リウマトレックス10mg/週(5年前より開始)、フォリアミン、リマチル、プレドニゾロン、リバロ、ザイロリック
家族歴:なし
現病歴:約6ヵ月前に発症した下顎左側臼歯部顎堤粘膜の難治性潰瘍の精査加療を目的に、かかりつけ歯科より当科を紹介され、受診した。
現症
全身所見:栄養状態良好、体温36.8℃、バイタルサインは安定していた。
口腔外所見:とくに異常は認めなかった。
口腔内所見:下顎左側小臼歯部、歯肉頬移行部粘膜(図❶)と上顎左側大臼歯部の口蓋側粘膜(図❷)に、発赤を伴った潰瘍形成を認めた。
臨床検査所見:WBC 7,940/μL(neut71.6%)、RBC 3,670/μL、CRP 0.66mg/dL。

Q 最も疑われる疾患名は?

① ヘルペス性歯肉口内炎
義歯性潰瘍
③ MTX関連リンパ増殖性疾患

歯肉がん