濱田 傑 Noriyuki SAKAKIBARA
木下優子 Yuko KINOSHITA
榎本明文 Akifumi ENOMOTO
近畿大学病院 歯科口腔外科 〒589-8511 大阪府大阪狭山市大野東377-2

図❶ 初診時の口唇写真

図❷ 同、口腔粘膜写真
表(1) 血液検査➀
WBC | 5,460(好中球 66.5%、リンパ球 26.4%、単球 4.4%、好酸球 2.0%、好塩基球 0.7%) | ||||
---|---|---|---|---|---|
RBC | 531万 | Na | 141 | AST | 19 |
Hb | 15.6 | K | 4.6 | ALT | 17 |
Ht | 47.3 | Cl | 103 | γGTP | 47 |
PLT | 21.6万 | Ca | 9.3 | HSV IGG | 206 |
TP | 7.3 | BUN | 12 | HSV IGM | 0.15 |
ALB | 4.0 | Creatinine | 1.03 | VZV IGG | 29.9 |
A/G | 1.2 | eGFR | 60 | VZV IGM | 0.20 |
TB | 1.1 | Glu | 76 | CMV抗原 | 陰性 |
CRP | 0.418 | AMY | 39 | B-D-グルカン | 7未満 |
患者:52歳、男性
主訴:口腔周囲のびらんによる摂食障害
既往歴:高血圧症にて2ヵ月前からカンデサルタン内服。胆嚢結石にて31歳時に胆嚢摘出術(タバコ:10本/日、酒:週1回)。
家族歴:特記事項なし
現病歴:2ヵ月前より声が出にくくなり、近医耳鼻咽喉科を受診。1ヵ月程度で声が出やすくなったが、口腔内にびらんができ、軟膏を塗布したものの改善がないため、当科へ紹介となった。
現症:下唇、頬粘膜、舌縁部、舌下部にびらんがあり、接触痛で食事ができない。
全身所見: 160cm、70㎏。体温36.6℃。左右の眼球結膜に軽度充血が認められた。精査すると陰部にもびらんが見られ、右背部と左大腿部皮膚に弛緩性の水疱が認められた。
口腔内所見:下唇、頬粘膜、舌、歯肉に発赤、易出血性のびらんあり(図❶❷)。自発痛はないが、接触痛あり。
内視鏡所見:喉頭浮腫なし、声帯麻痺なし(表1)。
主訴:口腔周囲のびらんによる摂食障害
既往歴:高血圧症にて2ヵ月前からカンデサルタン内服。胆嚢結石にて31歳時に胆嚢摘出術(タバコ:10本/日、酒:週1回)。
家族歴:特記事項なし
現病歴:2ヵ月前より声が出にくくなり、近医耳鼻咽喉科を受診。1ヵ月程度で声が出やすくなったが、口腔内にびらんができ、軟膏を塗布したものの改善がないため、当科へ紹介となった。
現症:下唇、頬粘膜、舌縁部、舌下部にびらんがあり、接触痛で食事ができない。
全身所見: 160cm、70㎏。体温36.6℃。左右の眼球結膜に軽度充血が認められた。精査すると陰部にもびらんが見られ、右背部と左大腿部皮膚に弛緩性の水疱が認められた。
口腔内所見:下唇、頬粘膜、舌、歯肉に発赤、易出血性のびらんあり(図❶❷)。自発痛はないが、接触痛あり。
内視鏡所見:喉頭浮腫なし、声帯麻痺なし(表1)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 単純ヘルペス性歯肉口内炎
② ベーチェット病
③ 帯状疱疹
④ 尋常性天疱瘡
⑤ 落葉状天疱瘡