歯科医師が病気を見つけるとき 19|デンタルダイヤモンド 2000年7月号

●東海大学医学部口腔外科学教室 佐々木次郎 + 荒井育子

12種類の薬剤

糖尿病狭心症喘息

◆◆◆ 気管支拡張剤 ◆◆◆

2000年1月13日に平塚市の歯科医院から、63歳の女性の抜歯2歯の紹介をいただいた。調べてみると東海大学医学部付属病院に受診歴があり、1999年10月には胸痛で夜間に緊急入院の経過があった。そのときの担当医が書き出した薬剤名を、直筆を読む練習のためにそのまま掲載する(図❶)。

抜歯で受診されたときも同じ処方を受けている。

図❶

右ページに図❶についての解説を掲載したが、全部は載せられない。表中の * マークが、投与されている商品名である。重要な薬剤であるテオドール®については前月号に掲載したので、省略する(読者は毎月読むわけではないので不親切ですが、許してください)。

抜歯は酸素濃度が93%なので、湿性酸素(気管支喘息では水を通した酸素を用いる)を2リットル流し、酸素濃度が98%になったところで、局所麻酔で行った。鎮痛剤については患者さんは知識がないので、プラセボ(偽薬)を投与した。

ニトログリセリンはご存知のとおりの強心剤。ニトロダームTTS®は貼りぐすり、ニトロペン®は舌下錠と決まっている。

パナルジン®に代表される血小板凝集を阻止する薬剤は、抜歯後の出血が多くなるが、休薬しないのが普通である。

グリミクロン®という血糖降下剤を使用しているので、抜歯は食後の時間帯に予約するのが医学常識である。

塩酸ジルチアゼム
ベンゾチアゼピン系Ca拮抗剤

塩酸ジルチアゼム
ガドセリン
カルナース
クラルート
コーレン
コロヘルサーR
サンライト
ジルベイト
セレスナット
ナックレス
パゼアジン
パレトナミン
ヒロスタスR
フッロテイ
ヘマレキート

ベシル酸アムロジピンCa拮抗剤

アムロジン
ノルバスク *6)

ニトログリセリン 冠動脈拡張剤

ニトログリセリン
ニトロダームTTS *2)
ニトロペン 舌下錠 *12)
ニトロラム 貼付剤
バソレーター RB貼付剤 軟膏 テープ
ヘルツァーS 貼付剤
ミオコール スプレー
ミニトロ テープ
ミリス テープ
メディトランスニトロ テープ

グリクラジド
スルホニル尿素系血糖降下剤

キョワクロン
クラウナート
グリミクロン *4)
グルタミール
ダイアグリコ
ファルリンド
ベネラクサー
ルイメニア

ボグリボース 過血糖改善剤

ベイスン *3)

塩酸チクロピジン 抗血小板剤

アンブレート
イパラジン
ジルペンダー
ソーパー
チクピロン
ニチステート
ネオピジン
パチュナ
パナピジン
パナルジン *7)
パラクロジン
ピエテネール
ピクロジン
ピクロナジン
ヒシミドン
ビーチロン
ファルロジン
プロパコール
マイトジン
ロベタール
ロンドリン

ムコソルバンなど 4剤は省略(少しだけ説明)

ムコソルバン一般名塩酸アンブロキソール(去痰剤)*9)
アルファロール一般名アルファカルシドール(活性型ビタミンD3)*10)
ベコタイド
エアゾール
一般名ピロピオン酸べクロメタゾン(副腎皮質ホルモン)*11)
重カマ胃散のこと*5)

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