Dd診断力てすと『口蓋粘膜の無痛性膨隆』デンタルダイヤモンド 2023年12月号

田中茂男 Shigeo TANAKA
日本大学松戸歯学部 口腔外科学講座 〒271-8587 千葉県松戸市栄町西2-870-1

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2023年12月号より、「口蓋粘膜の無痛性膨隆」についてです。

ゼネラルデンタルカタログ

図❶ 初診時の口腔内写真。右側口蓋粘膜に膨隆(矢印)を認める
図❷ CT画像(a:軟組織モード、b:硬組織モード)。右側口蓋部に軟組織モードで境界明瞭な低濃度域(a矢印)を認め、硬組織モードでその周囲の口蓋側歯槽突起および上顎骨口蓋突起の皮質骨に圧迫吸収像がみられる(b矢印)

患者:26歳、男性
主訴:上顎が膨らんでいる
現病歴:かかりつけ歯科診療所での定期健診にて、右側硬口蓋粘膜の膨隆を指摘された。疼痛症状がないため経過観察とされたが、数ヵ月経過するも症状の改善を認めないため、精査加療目的で当科に紹介受診となった。
既往歴:特記事項なし
現症
口腔外所見;顔貌は左右対称で頸部リンパ節の腫脹もなく、特記すべき所見は認めなかった。
口腔内所見;右側硬口蓋部に無痛性で正常粘膜色を呈し、可動性に乏しい弾性硬の膨隆が観察された(図1)。
画像所見:パノラマX線画像では歯、歯周組織およびその他の部位にあきらかな異常所見は認められなかった。しかし、Computed Tomo­graphy(CT)画像で右側口蓋部に境界明瞭な低濃度域がみられ、その周囲の口蓋側歯槽突起および上顎骨口蓋突起の皮質骨に圧迫吸収像が認められた(図2a、b)。
臨床検査所見:白血球数 5,600/μL(好中球 48.1%、好酸球 0.7%、好塩基球 2.3%、単球 8.5%、リンパ球 40.4%)、CRP 0.10mg/dL。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 骨隆起
② 唾液腺腫瘍
③ 口蓋膿瘍

④ 上顎洞原発腫瘍

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2023年12月号に掲載中!/

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