Dd診断力てすと『口腔粘膜のただれと皮膚の紅斑』デンタルダイヤモンド 2025年11月号

Dd診断力てすと『口腔粘膜のただれと皮膚の紅斑』デンタルダイヤモンド 2025年11月号

沢井奈津子 Natsuko SAWAI 山城正司 Masashi YAMASHIRO
NTT東日本関東病院 歯科口腔外科

月刊デンタルダイヤモンド誌に長年掲載され、読者の先生方に人気の「Dd診断力てすと」。
今回は2025年11月号より、「
口腔粘膜のただれと皮膚の紅斑」についてです。


ゼネラルデンタルカタログ
図❶ 初診時の口腔内写真。口腔粘膜全体に水疱の潰れた痕が多数あり、上皮が剝離している部分を認める(矢印)
図❶ 初診時の口腔内写真。
口腔粘膜全体に水疱の潰れた痕が
多数あり、上皮が剝離している
部分を認める(矢印)
図❷ 左:両手関節部、右:右下腿部
図❸ 病理像(HE 染色)。表皮内に水疱を形成している(矢印)
図❸ 病理像(HE 染色)。表皮内に水疱を形成している(矢印)

患者:48歳、女性
主訴:口腔粘膜のただれ
現病歴:約2週間前から左側頰粘膜から歯肉にかけて粘膜がただれ、出血するようになった。1週間前から全身の皮膚に紅斑が出たため、近皮膚科を受診したところ、蕁麻疹といわれ抗菌薬や抗ヒスタミン薬などの内服薬を処方されたが、3日前から紅斑部に水疱ができた。口腔内の症状が悪化し、食事がしづらくなったため、近歯科医院を受診したところ、精査を勧められ病院歯科口腔外科を紹介された。
既往歴:統合失調症、白内障
現症:体温36.5℃、脈拍61/分、呼吸数18/分、血圧 129/86㎜Hg。両側の歯肉・口唇粘膜に水疱が形成されびらんを生じており、歯肉粘膜は擦過により容易に上皮が剝離した(図1)。体幹、四肢の皮膚に小水疱が多発しており、一部びらんを形成していた(図2)。
血液検査所見:WBC9.2×103/μL、好中球77.8%、単球8.3%、CRP0.58㎎/dL、抗核抗体抗体価40倍(基準値40未満)、抗デスモグレイン1抗体344.1U/mL(基準値20.0未満)、抗デスモグレイン3抗体327.7U/mL(基準値20.0未満)、抗BP180抗体<3.0U/mL(基準値9.0未満)。
病理所見:左下腿の水疱部より生検を行った。HE染色にて、水疱は基底層の高さで生じており、表皮内水疱様の像を示した(図3)。蛍光抗体法ではIgGとC3が表皮基底側細胞の細胞膜に陽性を示していた。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 単純疱疹
帯状疱疹
③ 天疱瘡

類天疱瘡

\こちらの回答は月刊 デンタルダイヤモンド 2025年11月号に掲載中!/

デンタルダイヤモンド 2025年11月号

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