Dd診断力てすと『舌の膨隆』デンタルダイヤモンド 2019年09月号

佐々木 岳 Gaku SASAKI
小笠原健文 Takefumi OGASAWARA
町田市民病院 歯科・歯科口腔外科
〒194-0023 東京都町田市旭町2-15-41


図❶ 初診時の口腔内写真

図❷ 初診時のMRI画像(T2強調像)


患者:72歳、男性
主訴:舌右側の膨隆
既往歴: 外傷性頸椎損傷、膀胱がん
家族歴:特記事項なし
現病歴:約半年前から舌右側寄りに膨隆を自覚。症状はないためそのまま放置していたが、徐々に増大傾向にあり、摂食、発音に困難を生じたため近歯科医院を受診し、精査・加療目的に当科を紹介され来院。
現症:舌右側寄りに直径約25mm、球形、弾性軟、粘膜正常色、舌下部まで膨隆した腫瘤を認めた(図❶)。圧痛、自発痛は認めなかったが、腫瘤による摂食障害、発音障害を認めた。
血液検査: 特記事項なし
画像検査: MRIにて舌右側の筋層内を主体に分葉状、境界明瞭なT2高信号の腫瘤(図❷)を認めた。内部は不均一であるが、出血、壊死は認めなかった。

Q 最も疑われる疾患名は?

① 神経鞘腫
線維腫
③ 粘液腫

脂肪腫