榊原典幸 Noriyuki SAKAKIBARA
日鋼記念病院 歯科口腔外科
〒051-8501 北海道室蘭市新富町1-5-13

図❶ 初診時の口腔内写真。3前装冠はパノラマX線写真撮影後に脱離

図❷ 初診時のパノラマX線写真

図❸ 初診時のCT画像(造影)
患者:76歳、女性
主訴:左鼻翼基部の腫脹、疼痛
既往歴:胃がん術後(1ヵ月)、骨粗鬆症
現病歴:左鼻翼基部の腫脹を自覚するも、数ヵ月放置。同部に自発痛を自覚したため、自意にて当科受診。胃がん術後の化学療法を控えていた。
現症:口腔外所見では左鼻翼基部に圧痛を伴う軽度の腫脹を認め、口腔内は23部歯槽部から歯肉頬移行部にかけて発赤、自発痛を伴う、弾性やや硬のび漫性の腫脹を認めた。2は生活歯、3は失活歯であった(図❶)。
初診時臨床検査所見:血液学的所見では白血球数6,500(/μL)、CRP 0.05(mg/dL)、ESR 1H 26(mm/h)、ESR 2H 55(mm/h)で、強い炎症反応を示す数値は認められなかった。
画像所見:パノラマX線写真では、3歯根周囲に境界やや不明瞭なX線透過像が認められた(図❷)。CT画像では、23歯根周囲に一部骨欠損を伴う骨膨隆性変化を示す軟組織があり、病変と接する上顎骨の辺縁は不整を示し、病変周囲に浮腫性変化は見られなかった(図❸)。
主訴:左鼻翼基部の腫脹、疼痛
既往歴:胃がん術後(1ヵ月)、骨粗鬆症
現病歴:左鼻翼基部の腫脹を自覚するも、数ヵ月放置。同部に自発痛を自覚したため、自意にて当科受診。胃がん術後の化学療法を控えていた。
現症:口腔外所見では左鼻翼基部に圧痛を伴う軽度の腫脹を認め、口腔内は23部歯槽部から歯肉頬移行部にかけて発赤、自発痛を伴う、弾性やや硬のび漫性の腫脹を認めた。2は生活歯、3は失活歯であった(図❶)。
初診時臨床検査所見:血液学的所見では白血球数6,500(/μL)、CRP 0.05(mg/dL)、ESR 1H 26(mm/h)、ESR 2H 55(mm/h)で、強い炎症反応を示す数値は認められなかった。
画像所見:パノラマX線写真では、3歯根周囲に境界やや不明瞭なX線透過像が認められた(図❷)。CT画像では、23歯根周囲に一部骨欠損を伴う骨膨隆性変化を示す軟組織があり、病変と接する上顎骨の辺縁は不整を示し、病変周囲に浮腫性変化は見られなかった(図❸)。
Q 最も疑われる疾患名は?
① 慢性根尖性歯周炎
② 歯根嚢胞
③ 鼻歯槽嚢胞
④ 転移性上顎腫瘍