Dd診断力てすと『顎骨に発生した透過性病変』デンタルダイヤモンド 2021年12月号

患者：17歳、男性
主訴：右下顎歯肉の腫脹、疼痛
既往歴：特記事項なし
現症：体格は中等度、栄養状態は良好。
口腔外所見：右側下顎部に軽度腫脹を認めたが、開口障害は認めなかった。オトガイ皮膚に知覚異常は認めず、所属リンパ節にも異常所見は認めなかった。
口腔内所見：7⃣遠心歯肉に軽度腫脹と圧痛を認めた。7⃣6⃣に打診痛や動揺は認めず、歯髄電気診にて生活反応を認めた。舌に知覚異常は認めなかった。
画像所見：パノラマＸ線写真にて、右下顎骨体部から下顎枝にかけて透過性病変が認められ、病変内には埋伏歯を、下縁部には骨膜反応を認めた（図❶）。またＣＴにて、6⃣から下顎枝にかけて骨膨隆性変化を示す病変を認めた。さらに、病変と接する舌側皮質骨に骨欠損を認めた（図❷a）。病変により、下歯槽神経血管束は下方へ圧排偏位していた（図❷b）。7⃣6⃣根尖部はわずかに吸収を疑う像を認めたが、あきらかではなかった。