2020年04月号 「X線写真で認められた根尖部透過像」
平尾功治1) Kouji HIRAO
二宮雅美2) Masami NINOMIYA 湯本浩通2) Hiromichi YUMOTO
二宮雅美2) Masami NINOMIYA 湯本浩通2) Hiromichi YUMOTO
1)徳島大学大学院医歯薬学研究部 歯科保存学分野 2)同 歯周歯内治療学分野
図1 初診時の口腔内写真
図2 初診時のX線写真
図3 CBCT画像
図4 根尖部の病理組織像➀
患者: | 21歳、女性 |
主訴: | 根尖部透過像の精査と加療 |
現病歴: | 叢生のため矯正治療を希望し、当院矯正歯科を受診した。矯正前のX線検査において、の根尖部に透過像が認められ、精査と加療のため保存科を紹介されて来科した。 |
既往歴: | 特記事項なし |
現症: | に自発痛や打診痛、根尖部圧痛や歯肉腫脹は認められなかった(図1)。また、電気歯髄診には正常反応を示した。歯周組織検査では、プロービングデプスは全周2mm以下であり、動揺も認められなかった。 |
X線写真所見: | に根尖部を取り囲む透過像が認められ、透過像内部に不透過性の小塊も認められた(図2)。CBCT撮影を行ったところ、根尖部に歯根膜腔と連続した透過像を認め、唇側の皮質骨は一部菲薄化していた(図3)。 |
病理組織検査: | 確定診断のため、根尖部の生検および病理組織検査を行った(図4)。 |
Q | 最も疑われる疾患名は? |
1.歯根嚢胞 | |
2.根尖性歯周炎 | |
3.静止性骨空洞 | |
4.セメント質骨異形成症 |