DHstyle 2019年4月号 特集2
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Special Feature 2図❾ 患者ノートは、診療管理ソフトのDentrix(Henry Schein One)で共有する(Henry Schein One WEBサイト.https://www.henryscheinone.com/より転載)の数値、患者の主訴、患者のホームケアなど、書く内容はさまざまです。患者ノートは大切な治療記録として保管されます。訴訟大国での心構え 私は以前、勤務していた歯科医院の歯科医師がneglect(きちんとした治療を怠った)として患者から訴えられた際、起訴側の弁護士から、証人として裁判に呼ばれました。私はその歯科医院では1年ほどしか働いておらず、その患者も診察していませんでした。また、歯科衛生士は他にも何人か働いていましたが、裁判に呼ばれたのは私だけでした。裁判では、私の仕事内容やネバダ州の歯科の法律について4時間ほど質問されました。 適切な治療を怠たれば、歯科衛生士も訴えられる可能性があります。歯科衛生士としてつねに自信をもって仕事をするためには、こうした心構えも欠かせません。患者に応えるために学び続ける 最近ではSNSの普及により、歯科に関する情報が溢れています。保険制度が複雑な米国ならではなのか、歯科衛生士も患者から歯科に関するいろいろな質問を受けることがあります。歯科衛生士会への入会や、歯科雑誌を購読したり、学会に参加したりすることは、歯科衛生士として患者により多くの正しい情報を提供し、歯科予防の手助けに繋げる大事な仕事の1つだと思います。 また、米国にはContinuing Education(卒後研修)という制度があります。ネバダ州では、ライセンスを取得後も2年に1度、更新のために30時間のクラス(単位)を取得しなければなりません。クラスは自分の興味のあるものを受講できます。こうした制度は、米国の歯科衛生士の知識と技術の向上を助けるだけではなく、患者の口腔健康にも繫がっていると感じます。米国の歯科衛生士に寄せられる期待 米国の歯科衛生士は、自らの仕事に大きな誇りをもっていると感じます。歯科医師も、口腔衛生上の問題や予防歯科に関して歯科衛特集2 米国と日本の歯科衛生士は、ここが違う!75
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